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Guardian's2  作者: Radical
20/48

No.16-血だらけの月曜日-

捕獲完了。


「まだかよみんなー。」


紗衣純哉は暴れていた。

喫茶店にて暴れていた。

暴れ回って床を転がりまわるほどこねていた。


「ヒュヒュヒュ。まぁ慌てるなよ。」


そう諭す仙寿。

それでも純哉は止まらない。


「あーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあー!!!」


「ヒューヒュヒュヒュ。」


もう付き合ってられん、と言わんばかりに仙寿はそっぽを向いてしまった。


「ヒュヒュヒュヒュ。にしても、主人がいないのに鍵が開けっぱなしになってるとはな。」


「ふふふ。そーですか?」


そう話しかけてきたのはさっき喫茶店で知り合った髪の長い女性だ。

名前は潤華うるかと言うらしい。名字はなぜか教えてくれなかった。


「ヒュヒュヒュ。にしても潤華さんよぉ。あんたも随分と暇人なんだな。昼間からこんなとこにいるなんて。」


「ふふ。好きでいるわけじゃありませんよ。それに私は何処にでもいるけど、何処にもいないんです。」


「ヒュー?」


首をかしげ、どういう事?と言う風に仙寿は聞き返す。


「それはいずれわかるでしょう。さて、私もそろそろ仕事の時間です。お暇させてもらいます。」


「「じゃーなー。」」


二人合わせて別れを告げ、手を振る。

潤華も手を振り、喫茶店を後にする。


狙ったのか偶然なのか、ちょうど入れ違いでカシスが喫茶店にやってくる。


「いよう。お前ら。」


「いよう……ってあり?」


「へっへ。久しぶりだにー。」


迷彩柄のズボンに、簡単なシャツを着た男がいた。

通称「モスキート」、この男とは一年前の事件で対立していた。

元ディアブロの幹部である。


さらにその後ろには同じく対立していて、幹部でもあった「蟷螂マンティス」がいた。


「久しぶりですね、お二方。」


「何故お前らがここに?カシスが連れてくるって事は、どうやら攻撃はなさそうだが。」


「マンティスは俺の師匠でな。んで俺が裏切ったという可能性は?」


カシスは苦笑いしつつ悪戯をの意味を込めて問うた。

それに対し純哉はキッパリと言いきった。


「ねーよ。あるわけねー。お前にそんな考えは浮かばないよ。お前は正直すぎるからな、基本。」


「まっ!まっ!まっ!いいじゃにーのよ。それよりよ、俺達が来たのは残党について教えたくてよ。」


モスキートが話を進めようとした時、ちょうど紅葉と紗衣がやってきた。

どうやら紗衣の方は疲れ気味の様で、椅子に腰かけ溜め息をついた。


「さーいー。お前紅葉に何もしてないだろうなー?うーん?」


純哉からの二回目の脅迫に、やれやれという顔をしながら紗衣は答えた。


「別に何もしてねェよ。ただ、少し距離は縮まったかなァ?」


チラっと紅葉の方を見て、笑いながらそう言った。

それに対し純哉はますます怒りの炎の焚いた。


「まっ、そいつは置いといてよォ、お前ら話する途中だったんだろォ?」


「そうだにー。えっと残党についてだが、」


喫茶店にあったホワイトボードにモスキートが下手な絵を描いて説明してくれる。


「残党たちは一年前の事件と同じようなことをする気は全くないんだに。

寧ろ、そのお詫びをしてる最中だに。ちょっとそれが目立って周りからのレビューが縺れて管理局に伝わったのかも。

んで、そういうのにカモフラージュしつつ!」


ここぞとばかりに声を大きくして、楽しそうに説明を続ける。


「実際はキュウの足取りを追ってるんだに。」


「キュウの?」


純哉は顔に疑問の色を浮かべながら聞き返す。


「おう。今のディアブロ達の残党はキュウに恨みがある奴が集まってできてる。

しかも利用されたと腹を立てた堕天派の悪魔達も協力してくれてる。

曲者ぞろいだが皆なかなか強くてな。まぁ、利用されたと気づいた元ディアブロの連中も多いわけで。」


ペラペラと語り、茶をすするモスキート。

しかし茶が熱かったようで、口から吹き出し、その場で苦しんでいた。

代わりにマンティスが話を進めてくれる。


「私がつかんだ情報だと、キュウは何かの計画を進めていて、死の大陸のあちこちで殺人を起こしている。

それに起きている場所が意味深でね、全部遺跡の近くで起きているんだ。

しかも、全ての遺跡に宝玉や宝が眠っているんだよ。この死の大陸を守る宝がね。

その全ての宝、三大陸含め五百六十三個の宝から作り出される勾玉のようなものがあってね。

それがあれば世界を崩せるとまで言われている。

この事実から推測するに、キュウはいまだに地球を諦めていないようなんだ。

地球のバランスを崩し、生物を滅ぼし、我が物にしようってわけさ。」


言い終わった後に、マンティスはもう一度説明を付け加える。


「まぁ、全部私の憶測ではあるがね。」


「うむ。まぁサンキュー。一応なんとなく内容はつかめた。後は残党の奴らにあって話を聞いて、現世に戻ろう。」


「ヒュヒュヒュ。そーだな。」


「あァ。いつまでもこんなところにいられねェしな。」


「んじゃ、何処の誰もまだ掴めていない、幻とまで言われた残党たちの居場所を見つけようか。」


カシスはパソコンを取り出し、軽快なステップで指を弾きだした。

\ひゅーひゅーひゅひゅひゅーひゅーひゅひゅーひゅひゅひゅー/


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