No.1-若手研修と凍る財布、チンピラと-
「お前少し黙れやアホンダラァアアアアアアアアアアア!」
いきなり怒鳴っちまった。
あぁ。さっきまでのいい気持ちが台無し。
俺、紗衣純哉は上からの命令で若手研修の担任を務めることになった。
穏やかな気持ちで教室に入ったら、
お前誰だの
お呼びでないだの
帰れゴミだの
いろいろ罵声を浴びせられた。
なのに能力の行使はしちゃいけないらしい。
理不尽だ。
体罰が行使されないのは普通の世界だけで云々。
「おいおいおいおい!天使さんよぉ!もっと現実っぽく話してくれね?
つか何この研修。ダルいんすけどぉ!お?テメェぶっ飛ばすぞ?」
このチンピラ。
このチンピラ一人に罵声を浴びせられ続けた。
ふざけやがって。
つかまだ俺は話なんかほとんどしてねぇ!
「あー。マジ意味不。帰りてぇよ!うちに帰せよ!」
あー。俺もお前の言動が意味不。
あぁあああああああああああうぜぇ!
ムカつくなぁ!あぁもう!
「マジさぁ!ウザいから早く帰してくれね?なにもできねぇカスが!殴れるものなら殴ってこいよ!あ!?」
プチッ
「テメェ………黙ってりゃぁ言いたい放題言いやがってよォ……あんだぁ?文句あんのか?あぁ!?」
やばい。能力で吹き飛ばしちゃった。
しかも空気の槍で。
くの字に曲がって吹っ飛んだが………まぁいいや。
「よし。テメェら席に付け。今から研修を始める。」
あれ?なんで皆ビクビク震えてるの?
よくわかんない。若い子って。あぁ。俺も若いか。
「えーっと、俺は紗衣純哉。普通の天使だ。階級はSSS……あぁそうだ。こっちじゃまだAだったな。
お前らランクについては既に説明を受けたよな?後、大陸のこととか、使命のこととか。
能力やウェポンについても研修を受けているはずだ。俺が教えることは特にないかな。
今日の研修は早めに切り上げて、飯食いに行くぞ。新人への奢りと期待を兼ねて、な。」
と、優しい先輩をアピール。
一応説明しておくと一年前はSSSだったが、
ここ、『天空城ベーゼ』に赴任してからAランクに下がっている。
でも扱い的にはSSSなので基本的に不自由はない。
飯については、去年完成した天界、つまり天空城同士を結んでできている街にある
俺行きつけの店に行くつもりだ。天界が完成してから、また楽しみが増えた。
今日はあのチンピラを除く、俺を含め十五人での外食………財布が寒くなりそうだ。
「さて、研修を開始する。えーっと、ウェポンの発動。ふむ。
とりあえず、一人ずつ支給されてるウェポンを発動させてくれ。全員発動したら次のステップに移る。」
ウェポンの発動なんて簡単な研修だな。随分と。
「では番号一番、臥沼龍。始め。」
「はい!」
元気がいいねぇ。うん。見たところ十五、六かな。
俺より年上か、同年代。
なかなか発動させるのもスムーズだな。
これは期待できるか。
「では次、番号二番、淡路真綾。始め。」
女の子おおおおおお!
この男ばかりの世界についに希望の光が!
これは落とすしかない!
いや何でもない。
だって可愛いんだもん。
十二歳くらいかな。
後でリストを確認せねば!
──五分後
暇なのでじーっと見ながら研修を行ってたが、
この研修もあと一人で終了だ。
あー、結構楽しいな。いいかも若手研修。
あのチンピラは………まだ気を失ってるからいいや。
「えっと、じゃあ最後だね。番号十五番、大狗紅葉。始め!」
ふむ。
十五人中七人が女の子だったが、
この子が一番ロリかな。
いやロリコンじゃないけどさ。
で、まぁスムーズに発動を終え、研修終了っと。
「よーしよし。皆なかなかスムーズでよろしい。じゃあ、飯食いにいこか!」
さぁ!財布に氷の呪文がかかるまであと少し!
なんかグダグダw
これから頑張るぞーっと