No.14-空の色は何色だァァー!-
「諸君らが集まってくれたのを私は大変嬉しく思うぞ。」
アウシ・アタ上層部。
東京の中心部の空に浮かぶ天空城の偉い人、総裁が色々と今回の趣旨についてお話ししてくれた。
事件調査メンバーに選ばれたのは、
俺こと紗衣純哉と一年前の事件にかかわったジョーカーこと望月千寿、
直接的な関わりはないが一年前の事件の調査を行ったカシス、
そして紅葉の四人だ。
総裁が言うにはどうやらあと一人、メンバーが居るようだ。
「ではみんな集まったところで、最後の一人を紹介しよう。」
ニコニコ笑顔の総裁が最後の一人を呼び出した。
その最後の一人とは
「あァ?貴様ァ……貴様らも行くのかよォ!」
最後の一人とは泡沫紗衣。
なんかそんな予感はしていたが…
やっぱり曲者ぞろいだな。
俺の周りには曲者が多い。
「んでェ、出発はまだかよォ!」
「慌てるでない。もうすぐに出発だ。」
総裁はいきり立つ紗衣を落ち着かせる。
さて、気合い入れるか!
「では、準備がととのった。出発だ!」
目の前にゲートが現れる。
一年前もこれに入って転送された。
飛びこむぜ!と言わんばかりの猛ダッシュでゲートに飛び込んだ。
──同時刻、何処かの遺跡
遺跡と言うには余りに豪奢である。
どちらかと言えば城に近い建造物の中に男用のドレスを羽織った男と、チャイナ服風の服を着たような男がいる。
どちらも白が基調となっていて、とても清潔感がある。二人とも仮面を付けているため、怪しげな感じもする。
突然、ドレスの男が呟く。
「……来る。」
「ん……?何が?」
「遠い向こうから、来訪者がね。」
そう言い、静かに椅子に座るドレスの男。
チャイナ男は溜め息をつき、ドレス男に提案をだした。
「ようわからん。とりあえず、外に行こうよ。ここにいたんじゃ体が鈍っちまう。」
ドレスの男は数秒後立ち上がり、言った。
「そうだな。我々の仕事を進めよう。」
──転送ゲート内
グルグルグル。
ドラえもんのタイムマシンに乗ってるときのあの空間みたいな感じだ。
何回かこれを使うが、相変わらず目が回る。自由に動けるようになっているが、動こうとすら思えない。
「おェ………なんだァここはァ!目が回って………おっとと。」
紗衣もどうにかして移動しようとしているが、目が回って前に進めていない。
「まっ、こんな時は静かにしてるのがいいでしょ!」
カシスはそう言い、腰を下ろした。
「ヒュヒュヒュヒュ………zzz」
こいつに至っては居眠りかましてやがる。
ふざけやがって。つか寝顔イケメン。通常時もイケメンだが。
いや、ホモじゃないからね?
「目が回るよぉ……すみやぁ………」
「もうちょっとだから、我慢我慢。」
ぐったりしている紅葉をそっと近くに寄せて、頭を撫でてやった。
…………
…………
…………
ドスンっ!
「スピッ!ヒュー、なんだ?」
スピッてなんだ?
「うーん、どうやら転送ゲートに不具合が起きたようだね。」
え?
「あァ!?そいつはヤバくねェか!?」
紗衣の言うとおりだ。
確かにとてつもなくヤバい気がする。
「こりゃぁ……後数秒で強制的に落とされるぞ!」
カシスが声を荒げる。
そう言った瞬間、空間が崩れ始める。
「これ……ヤバい……」
そんな中カシスが頭をフル回転させ提案を出した。
「くそっ!お前ら、落とされたら端末で通信をとるぞ!絶対死ぬなよ!」
「「「「おう!(ヒュ!)」」」」