No.10-そうだ、コンビニ行こう-
「しまった…………寝すぎた!!」
起きた時には時すでに遅し。
夜の九時を回っていた。
この時間帯になると食堂の飯が無くなる。
あぁ………!なんで俺こんなに寝てるんだよ!
というわけでガーディアンネット。
もちろん紅葉も一緒だ。
「………純哉って馬鹿ね。なんであんなに寝てるんだか。」
「すまん………」
謝りつつ店内に。
何買おうか………
む?も、もうあんな衝動買いはしないぞ!
という事で安価なお弁当を購入。
「さて、行こう……っ!?」
店を出ようとした時立ち尽くしてしまった。
かなり大きな魔力。前方の暗闇から一人の少年が姿を現した。
灰と黒のチェックのカーディガン、
紫と黒のパンツ。
サロン系、とでも言うのだろうか。
落ち着いたイメージの服装に身を包んでいた。
髪の色は黒で、一部毛先のが白くなっている。
眼は蒼と紅のオッドアイ。
「どけよ………」
「あぁ、すいません………」
通り過ぎようとした瞬間、少年に呼び止められた。
「あァ……?ソイツ………オイ!貴様ァ!その女………」
驚き、戸惑いつつ少年に聞いてみた。
「ふぇ?し、知り合い?」
「………知らない。」
どうやら紅葉は知らないようだが、
その問いに対し、少年は声を荒げた。
「そいつは大狗紅葉だなァ!?」
「え、えぇ。」
「フ……フフフフ……ギャハハハハハハハ!!なんつーラッキーデイだ!神様よォ!目的のブツに出会えるとはァ!」
え?え?え?何?
どういう事!?
「戸惑ってるようだなァ!探してたんだよォ!その女をォ!」
「えっと………どういう事ですか………?」
「大狗紅葉は天使の中でも珍しいポテンシャルを持つ。テレパシーだ。人語を持たない魔物とも話せるって噂だぜェ!
んで、俺はそいつの能力がほしくてよォ!まァ、もっと別のところに利用するんだがァ!」
「えっと、つまりこいつをさらって、いいように使うってか?」
「どうでもいいだろォ!とりあえず、寄こせェ!!」
誰がやるかよ!
ぶっ飛ばす!こいつワケわからん。
と思う俺もわけわからんか。
でも、渡せねぇ。
「テメェ……それが人をさらう理由か?」
「理由なんざねェ!強くなるにはそいつが必要。それだけだァ!!」
あー。めんどくせぇ。
やるしかねぇみたいだな。
「力ずくでも奪うぜェ!!!オラァ!!」
そう言いながら、近くにあったパイプを超高速で蹴り飛ばしてきた。
間一髪のところで避けられた。
パイプは壁に当たり、粉々になって吹き飛んだ。
「うぉぉおお!?なんだなんだ!あぶねぇ!」
「まだまだァ!!今度はこうだァ!」
次は地面を殴り、地面の砕けた破片を飛ばしてきた。
避けようが………上かッ!
またまた間一髪のところで上に飛び上がり避けることができた。
「ほう………どうやら貴様………なかなかやれるみたいだなァ!」
「いまさら気づいたか!もう諦めろ!」
「無理だぜェ!ヒャハハハハハ!」
「仕方ないね。なら俺も……ハイドラ!」
直撃ッ!!
けどおかしいな。
傷一つ付いていない。
寧ろはじかれたような鈍い金属音………?
「少し驚いたが、効かねェ!」
何……だと……!?
少年二度目の登場。
ベクトルっぽいなぁww