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珠景姫 Mikage hime  作者: 美珠夏/misyuka
第6章 最後の姫になる為に( 珠景姫 )
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侍女の配置転換

 

 珠景姫(みかげひめ)には、五人の侍女がいる。

 妹と侍女。二つの役割を担う色歌(いろか)

 侍女見習いとして働く彩美家(あやみ け)の双子姉妹。

 そして、問題の侍屋敷家(さむらいやしき け)の姉妹だ。

 どちらも珠景姫(みかげひめ)より年上で、本来は長姫制度(おさひめせいど)に該当しない。

 しかし、侍屋敷家(さむらいやしき け)の当主の指示により、侍女として宮殿で働いている。

 夕食の準備をしてくれたのも、この二人だ。


「……侍女の制度さ、廃止にしない?」

「どうしてです?」


侍屋敷家(さむらいやしき け)の姉妹を見ていると、申し訳ないなって思うし、夕食とかの準備くらい自分で出来るじゃん? 侍女って立場だけで、あの二人を苦しめたくないというかさ……」


「なるほど。姉さんらしい考えですね」

 色歌(いろか)は箸を置いて考え始める。

 そして、すぐに口を開いた。


「明日から侍屋敷家(さむらいやしき け)の二人には、宮殿の業務に専念してもらいます。代わりに、彩美家(あやみ け)の双子姉妹を、姉さんの主たる侍女に昇格させますね」


 掃除や食事の準備、来客の対応などの仕事に専念する形であれば、年上の二人も働きやすくなるだろう。

 侍女の配置転換を提案した色歌(いろか)は、どこか嬉しそうに笑っていた。

 新しい風が吹く気がして、珠景姫(みかげひめ)も穏やかな表情を浮かべる。

 桜の花が、ふわりと舞った。




 翌朝。色歌(いろか)が双子姉妹を連れてきた。

 宣言通り、侍女の配置転換を行うらしい。


「本日より、彩美家(あやみ け)の双子姉妹がお仕えいたします。何なりとお申し付けください」

 座礼を終えた色歌(いろか)は、後方へと下がる。


 緊張した表情で座る双子姉妹は、十歳の侍女見習い。

 宮殿で暮らしながら、立派な侍女になる為の勉強を続けて来た。


「姉の彩美(あやみ) 小春(こはる)と申します。よろしくお願いします」

 編み込んだ一つ結びの茶髪が、肩の前に流れる。

 小春(こはる)は、落ち着いた雰囲気を纏う少女だ。

 茜色の着物。丈の短い緑の袴風スカート。黒のタイツ。

 ハイカラな服装が、良く似合っている。


彩美(あやみ) 小鈴(こすず)、十歳です。よ、よろしくお願いします!」

 三つ編みにした茶髪のおさげが揺れる。

 小鈴(こすず)は、快活で愛嬌のある少女だ。

 緑の着物。茜色の袴風スカート。黒のハイソックス。

 椿の髪飾りを、お揃いで付ける姿も可愛らしい。


「まだまだ未熟な姫ですが、どうぞよろしくお願いします」

 珠景姫(みかげひめ)が深々と座礼すると、双子姉妹も慌てて頭を下げた。

「それと」

「「……?」」

 次の言葉を待つ二人に、珠景姫(みかげひめ)は優しく微笑む。


「堅苦しい関係は嫌だから、もっと気軽に接して欲しいな。一緒に食事したり、立場を忘れて遊んだり。お互いに、楽しい時間を過ごせたら嬉しいなって」


「「はい!」」

「私も仲間に入れて欲しいんですけど……」

 色歌(いろか)は寂しそうな声を作って、こちらに手を伸ばす。

 緊張感の無い色歌(いろか)の行動に、ふふっと笑ってしまった。

 和やかな空気が、部屋に広がっていく。

 希望の光を浴びた心は、春のように穏やかだった。


このエピソードを、

色歌視点で楽しみたい方はこちら↓

『 珠景色の春風鈴 』:彩美家の双子姉妹

https://ncode.syosetu.com/n9791jo/5


珠景姫Mikagehime ⇔ 珠景色の春風鈴

✼••┈┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈┈••✼

どちらから読んでも楽しめる物語


❀ 春風鈴→珠景姫(時系列順)

❀ 珠景姫→春風鈴(神島家の姉妹を深く知る)


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