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『砂時計』
昔『砂時計』という映画を勧められて、レンタルして観たことがある。
原作は、芦原妃名子の少女漫画だ。映画を観た後に、原作の漫画も読んだ。
少女漫画は基本的に恋愛が中心に描かれているものが多いと思う。
もちろん『砂時計』にも、主人公をはじめとする中心人物達の恋愛は描かれている。
だが、この作品はそれだけではない。
「残された者がどれほどの傷を負い、痛みと悲しみを抱えて生きていくのか」ということが、主人公の姿を通して切々と伝わってくる。
『砂時計』という作品は、私の中にあった少女漫画のイメージを大きく変えた。
先日、作者の訃報をニュースで目にして、連載中の作品は未完のままになることと、死に至るまでの経緯を知った。
もしもこの作者が、全てを誰かのせいにして「自分は悪くない」と思える人だったら、違う結果になっていたのかもしれない。
でも、そういう人ではなかったからこそ、あのような作品を生み出せたのだろうと思う。
今はただ、ご冥福をお祈りするばかりだ。
どうか、安らかな旅立ちでありますように。




