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スティーヴン・キング

 実家に住んでいた頃、リビングに置かれた本棚には、家族の買った本が並べられていた。


 その中にスティーヴン・キングの本が何冊かあり、最初に読んだ『刑務所のリタ・ヘイワース』がとても面白くて、その後『ミザリー』『キャリー』『シャイニング』と立て続けに読み、当時中学生だった私は恐怖に震えた。

 ホラーというジャンルを避けるようになったのは、たぶんスティーヴン・キングの影響だと思う。


 ホラーは苦手になったが、スティーヴン・キングの書く文章は好きだったので、本の背表紙にダーク・ファンタジーと書かれた『ダーク・タワー』を手に取った。

 完結まで三十年かかった全七部構成の長編小説で、何冊にも分けて刊行されている。

 私は、この作品を第四部の最後までしか読んでいない。


 ファンタジー小説と言っても、『ナルニア国物語』や『ハリー・ポッター』シリーズのような明るさは微塵も無く、ひたすらに残酷で、重く、それでいて惹きつけられる内容だ。


 第四部では、主人公の過去が語られている。

 幸福なひと時と、その後に襲いかかる絶望。

 読み終えて、命の重さというものを、嫌というほど思い知らされた。



 話は変わるが、『鉄腕アトム』の最終回で、主人公が地球を救うために自己を犠牲にする決断をしたところ、批判が殺到したそうだ。


 批判した人々は、きっと作品のことも主人公のことも大好きだったのだろう。

 だからこそ結末が受け入れられず、怒りをぶつけてしまったのかもしれない。


 それほどまでに人々の心を揺さぶる作品というのは、好き嫌いは分かれるだろうけれど、やはり偉大だと思う。



 私にとって『ダーク・タワー』の第四部は、先を読み進められなくなるくらいショックな結末だったが、今でも、とても好きな作品の一つだ。

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