好き嫌い
私には、好き嫌いの激しい友人と、なんでも食べる友人がいる。
好き嫌いの激しい友人と食事する時は、多少気を使う。
食べられないものがあったら困るだろうな、と思うからだ。
とは言っても、外食の場合は嫌いな食材が料理に入っていることもある。
そういう場合、友人は「こんな食材入れやがって!」とキレながら、皿の端に避けて食べないようにしている。
たまに、なんでも食べる友人が
「好き嫌いしないで、少しくらい食べてみたら?」
と注意することもあるけれど、好き嫌いの多い友人は
「ライオンは肉ばっかり食べてても元気いっぱいなんだから、好きなものだけ食べたっていいんだよ! パンダだって笹しか食べないし、コアラもユーカリしか食べないけど、誰も叱らないじゃん!」
と言い返している。
それを聞いた私は「あの動物達はそういう体のつくりだから大丈夫なのであって、人間はバランスよく食べた方が体に良いんじゃないか」という気もしたけれど、自分も苦手な食材は避けてしまいがちなので、口出しするのはやめておいた。
どちらの気持ちも分かるなぁと思う反面、自分の好物を食べている時に横から
「そんなもの、よく平気で食べられるね。滅茶苦茶まずいじゃん。美味しそうに食べる人がいるなんて、信じられないんだけど」
みたいなことを言われると、少々複雑な気持ちになる。
でも「そういう風に思う人もいるんだな」ということが分かると、その人の前では食べないように気を付けることが出来るから「言ってもらえて良かったんだろうな」とも思う。
友人の一番嫌いな食材はピーマンである。
鶏のひき肉とピーマンの細切りに塩を振り、ごま油で炒めた料理は私の好物だが、ピーマン嫌いの友人には勧めない。
かと言って我慢もしない。作るし、食べる。
好き嫌いの激しい友人と、なんでも食べる友人。
それぞれと共にする食卓は、どちらも同じくらい楽しい。
そして二人とも顔をそろえた時は、もっと食事が美味しく感じられるし、楽しさも倍増する。




