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第2話 告白したけど振られた

 俺がサオリから、カラオケに誘われたのを断ってから数日が経った。


 その間、俺はなぜ今の幼馴染みに対してストレスを感じてるのか色々、自問自答をした。


 そして、俺とサオリの関係が中途半端だから悪いんじゃないかと言う考えに至った。


 どういう事かと言うと

今の友達で幼馴染と言う状態が悪いわけじゃないが、

その先に関係を進めても良いかもしれない。

最近は変わってしまったが、元々は仲良かったんだ。

彼氏彼女になるのも良いかもしれない。


 だけど、俺から告白して単に普通に付き合う様になるのはダメな気がする。

そんな事をしたら余計に調子に乗るのが目に見えるようだ。


 俺は対等な関係でいたいんだ。

その上で俺を甘やかして欲しいんだ!


 そんな事を考えて、今日もネットで色々調べていた所

ハリウッドスターなんかは結婚前に契約書を交わして、

色々と取り決めをするらしい。

それに同意したら結婚をして………残念な事に離婚をする事もあるが

その時にどうするかは契約書で決まってるから、もつれないで済むそうだ。


 その記事を見てなるほど、と思った。

彼氏彼女ではなくて、結婚を前提に付き合うのであれば、

お互いにすり合わせが必要になる。


 そうすれば、俺が嫌な事は嫌だと伝えやすいし。

サオリが本当にして欲しい事も聞ける筈だ。


 正直『みんな』とか言う分けのわからない物に媚びる事が

本当にサオリがしたい事だとは思えない。


『みんな』が大事なら、俺に構う必要なんかないんだ。

俺はその『みんな』ではない。だから辻褄が合わない。


 その辺りも話したいが、今の関係でそれを言ったらきっとアイツは怒るに違いない。

 だって、本人がまだ気づいてないんだ。人間は本人が気づいていない過ちを指摘されると反射的に反撃してしまう。と、どこかで見た気がする。



----------------------------------------------------


 そんな事を考えていたある日


 休み時間に、サオリに声をかけられた


「いっくん。今日の放課後、暇?」


「その聞き方は卑怯だぞ。まぁ暇だけど」


「それじゃさ、カラオケ行かない?」


「誰と?」


 俺は、不機嫌そうにそう問いかける。


「いや。それがさ………いっくんは行かないと思うって言ったんだけど。他の子に誘ってくれって頼まれちゃってさ……ダメかな?」


 ダメに決まってんだろッ!!

前回、知らない奴とは行かないって言っただろうがぁぁ!!!!

頼まれたから…じゃねぇよ!! もう、我慢出来ない!!!!!


 いかん。このままキレるのはダメだ。

深呼吸だ。。。。。宇宙の事を考えるんだ。。。。


「………………なぁ、サオリさん。ちょっと大事な話しがある」


「え? なに?」


 突然黙り込んだと思ったら

俺が真剣な顔をして切り出したからか、サオリがとぎまぎしている。

いつもと違う表情がみれてちょっと可愛い。昔はこういう感じだったなぁ。


「教室では話せない事だから……そうだな。そのカラオケ行く前にちょっと時間とれないか? 校舎裏とかで」


「う………うん。わかった………」


「おう。それじゃまた後でな」


 迷ってたが、もうやるしかない。

次に似たような事があったらきっと俺は爆発してしまう。。。。



----------------------------------------------------


 放課後、俺は校舎裏でサオリを待っていた。

思ったよりもドキドキする。

まさかこんな形で幼馴染に告白する事になるだなんて思わなかった。


 悪い意味でじゃない。今のサオリは可愛いしおっぱい大きいし

弟が家にいる時は、よく弟とも遊んでいた。小さい子供が好きみたいだ。


 そんな姿を見ながら、サオリと付き合って、結婚して子供が産まれて。

なんて考えたこともあった。

全然、悪くない気がする。むしろ是非お願いしたい。


 でも、今の関係のままじゃ俺の精神が持たない。

お互いに良い関係にならなければ、最終的に夫婦になんてなれないんだ。

だから俺は今日、俺たちの関係をはっきりさせる。


 そして、サオリがやってきた。言うぞ!


「サオリ、俺と結婚を前提に付き合ってほしい。お互いに高め合える関係になりたいんだ」


「え……………無理」


 ぐはっ。。。。。断られた。。。キツイキツイキツイ。

項垂れつつも問いかける。


「そうか…………なぜ無理なのか教えてもらっていいか?」


 なにか改善出来る事なのか? 出来る事なら頑張るぞ?

陽キャグループに入るのだけはごめんだが。


「えっと。もっと年上の人がいいな?」


 ………………いや。流石にそれは無理だわ。

そうか俺の幼馴染は、年上が好きだったのか……………。


「それは………流石に出来ないな……………それじゃこれからも俺たちは友達で幼馴染と言う事でいいかな?」


「うん。それは勿論だよ」


「そうか………それじゃ俺はもう帰るよ…………もう完全にカラオケとか言う気分じゃないし。知り合いとでも無理だ」


 そして、その日は独りトボトボと帰路についた。

もうなんもやる気しねー……。


つづく


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