第12話 悪い事なんてしてない
「はぁ………やっぱ浮気じゃん」
昼休憩が終わる頃、教室に戻るなりサオリからそう言われた。
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しかし、その言葉には同意出来ない!
浮気もなにも、俺たち付き合ってないよね? あなた断ったよね?
「なにを言ってるんだかわからん。わかる様にお願いします」
「はぁ? 喧嘩売ってんの!?」
また怒らせてしまったようだ………まぁ、言いたい事はわからんでもない
自分への告白を断ったとは言え、その告白してきた男がすぐに
他の女と仲良くしてるのは気に入らん。的な?
「………分かった。俺が悪んだろ。それでいいよ」
こういう時の幼馴染はめんどくさい。謝るに限る。
「なにも分かってないっ!! ムカつく!!!!」
「じゃぁ、分かる様に言ってくれ、そうしたら謝るから」
「そういうところがまたムカつく!!!」
どうしろっていうんだっ………ちゃんと話してくれないと分からないよ。
昔はちゃんと話してくれたじゃないか。なんでこうなった。
「まぁまぁ、サオリン 落ち着こうって? 今のまま話しても良くないよ」
そう言いながら、陽キャグループの女の娘が
サオリの手を引いて連れて言ってくれた。
正直助かった。どうしたらいいか分からなかった。
小さい頃なら、背中さすったり頭撫でたりしたら機嫌良くなったけど
今は大きくなったし。ここは学校だ。流石にそんな事は出来ない。
「サオリちゃん、怒ってたねぇ。ごめんね?」
「怒ってたなぁ………でも、リナは悪くないだろ………」
「あ、そうだね! 朝からナンパしてたもね♪」
ナンパじゃないってば! ただ、メッセのID聞いただけだ。
道端で聞いていたらナンパだが、学校なら普通? だよな?
「まぁ、そもそもさ。クラスのグルに全員入ってるから。そっちから登録すればよかったんだけどね?」
たっ!! 確かに!!!! グループ内で、興味ない話する奴らがウザいから、通知切ってて存在忘れてたわ!
「で………でもどれが誰かわからないし………」
「私、リナで登録してるよん」
「本人から聞きたかったんだよ・・・・・」
「つまり。いった君は、少しでも私とおしゃべりしたかった。と、それってナンパと何が違うん?」
さっきから弄ってくるなぁ。。。。リナのニヤニヤした顔も可愛いが困る。
けれど、そんな顔を見てると俺もつい頬が緩んでしまう。
「・・・友達とID交換したり話すは普通だろ」
「そうだね。男友達と話したり、ID交換するのは当たり前だね♪」
なんだってんだ。
話が一旦落ち着いた頃、ふと気になって後ろを見ると・・・・
サオリが俺の事をうらめしそうに睨んでいた。
これ後でまたなんか言われるな。
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そして放課後、幼馴染であるサオリから声をかけられた
「いっくん。今日暇?」
「暇だけど?」
「じゃ、マック行こうよ」
「嫌だよ」
「はぁ??? マックなら行くって言ったじゃん!!! 結局アタシと行きたくないのっ!?」
「いや、普通に考えて二日連続でマックは行かないだろ。ちょっと落ち着けよ」
サオリは全く考えてなかったと言う顔をしている。
俺はマックのシェイクは好きだが、毎日飲みたいわけではない。
たまに飲むからいいんだよ。
「じゃ、どこなら行くのよ?」
どこか………それなら最近話題の………
「んー。サイゼとか?」
「あ、サイゼなら私も行きたい! 『例の写真』撮ってSNSにアップしたい!!」
リナがそう言いだしたが………つい胸部を見てしまう。
なんと言うか、戦闘力不足かな? ボリューム的な意味で。
「どこ見てんのよ。キモいんですけどぉ」
キモ………いや、だって例の写真撮りたいって言ったらみるだろ?
常識的に考えて。俺は悪くない。
そう思って、俺は目線をリナから外す。そして今後は幼馴染の胸部を見てしまう。
うん。戦闘力はバッチリだ。
「なっ、なに!? 突然見つめちゃって!!」
「いや、戦闘力がすごいなと思って」
「戦闘力??? なに言ってんのかわかんないんだけど。とりあえずこっち見んな」
そう言いながら体を腕で抱いてしまう
お、お胸が御隠れになってしまいました。。。。
太陽神アマテラスが御隠れになった時はどうやって出てもらったんだっけ?
また太陽が出てくれないと俺は生きてけないよ。
「結局、どこ見ればいいんだよ………全く………」
「いった君がキモいんだけど。今日は一緒にサイゼ行くって事でオケ?」
「「オケ」」
いつまでキモいって引っ張るの………もしかしてサイゼでも引っ張るの………
つづく
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あとがき
作者は、洋食レストラン行くと毎回、ラザニア無いかなぁって探してしまいます。
普段家で作らない物に惹かれます。