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筋肉エルフ  作者: 平乃ひら
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筋肉鍛えて500年経過しました。

そもそも森の中で暮らしているエルフって元々筋肉バキバキじゃないんです?

 そこはエルフの里の筈だった。

 たった五百年ほど身体を鍛えただけ、と告げたエルフは一見して少女の面影を残すその顔の下へ、俄には受け入れがたい筋骨をぶら下げている。

 爽やかな笑顔で日課の素手石砕き百回をこなす姿を見て、自分がどこへ来たのかを、いや、来てしまったのかを見失った。


「日常系は筋肉の中にあるの」

 そう告げるエルフの少女は発達した上腕二頭筋によるチョークスリーパーによって里を襲ってきたオークを締め落としていた。

「あらやだ口から涎なんて汚い」

 それ涎じゃなくて泡を吹いているのだが、たかが人間が五百年間肉体を鍛え続けた怪物……失礼、エルフに苦言を呈すのはすっげぇ怖い、もとい恐れ多いと分かっているので、彼女の言葉に頷き返すのみに留めておく。

「つまり筋肉があればこういうのが来ても日常を守れるわ」

 その理屈はおかしい。が、現実として成り立っているのを目の当たりにしたのだから、きっとこちらの常識が間違っているのだろう。

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