表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/88

発動




『あれ?史月しづき季梨きり。なんか。う~ん。いつもと同じようでいて、違うような』


 浅葱あさぎの家にて。

 浅葱と史月と水美みずみの様子を見に来た都雅とがは、ちょうど家から出た史月と季梨と鉢合わせして、まじまじと二人を見つめてはそう言った。


『『終夜よもすがら』の本部に行った浅葱君を会いに行くんだ』

『浅葱が?『終夜』の本部に?あいつが行くって言ったのか?』


 脱力しているようでしていない史月と、史月に沿っているのか、常の気楽さを引っ込めていた季梨の組み合わせを初めて見たなあ、まあ、同じ結界師だから組むこともあるよなあと思いつつ、史月の言葉に首を傾げて尋ねた。


『いや。行くとは言ってない。けど』

『あのさ。雪白ゆきしろって解界師が浅葱ちゃんの薬草をぜんぶ奪って行っちゃったの。そんで、雪白って『終夜』の使者だと思うんだよね。『終夜』の使者が姿を見せたってことは、浅葱ちゃんは『終夜』から追放宣告されたってことでしょ。それを撤回させる為に浅葱ちゃんは『終夜』の本部に行ったんじゃないかなって。去り際の浅葱ちゃんの様子も組み合わせて、僕が推測してみました』

『う~ん。そっかあ。う~~~ん。まあ。なくはない。と、思うけど。なあ。う~~~ん。うん。よし。じゃあ。ちょっと待っていてくれないか?浅葱が『終夜』の本部に居るのかどうか、確認してくるから』

『いやいやいや。都雅ちゃん。都雅ちゃんの厚意は有難いけど、史月ちゃんの決意を挫かないで。『終夜』の本部に行って、居ないなら居ないで、またそこから探すから。ね?史月ちゃん』


 季梨は隣に立つ史月を見た。

 史月は少し首を傾げてのち、いや頼もうと言った。

 結構即決だった。


『ああ、ものぐさが発動しちゃった』

『すまない。季梨君。久々に都雅君に会って、何だかすごくご厚意に甘えたい気分になってしまった』

『ああ。わかるよわかる。都雅ちゃん。包容力半端ないからね。もう、甘えまくりたくなっちゃうよね。って、本当にそれでいいの?史月ちゃん。折角、人生初かもしれないやる気を発動させてたのに、シリアス展開を発動させていたのにもう引っ込めちゃうわけ?』

『ああ。もう、すごく疲れてしまった。浅葱君は帰ってくると言ったんだろう?もうおとなしく待っていよう』

『あああああ。これっきりかもしれないお出迎えチャンスが。都雅ちゃん。もう。だめじゃん』

『ああ。何か、悪いな。そうだよな。おまえら。恋人になったばっかだったよな。色々初体験が目白押しだよな。う~ん。でもなあ。『終夜』の本部には居ないような気がするんだよなあ。うん。だからやっぱりちょっと待っててくれ。すぐに行って確かめて来るから』

『いいんだよ、都雅君。わざわざ行かなくても。君にも配達師としての仕事があるだろう。僕は浅葱君がこの家に帰ってくるのを待っているよ』

『史月ちゃん。もう。挫けるの早いよ。やる気を霧散させるの早いよ』

『まあまあ待ってろって。すぐに戻ってくるから。な』


 都雅が片手を上げると、颯爽とこの場を後にして、一時間後。

 あり得ない速度で帰ってきては、浅葱は居なかったから今から居るところに案内するよと言って、持って来た荷台を指差して、いや行かないと言い張る史月を季梨と一緒に乗せてのち、まずは師匠のところへと連れて行き、そして、師匠から浅葱は霧夜のところに居ると教えてもらったので、史月と季梨を師匠のところで待っていてもらって、一人で霧夜のところへ向かったのであって。

 今現在。霧夜のところから師匠のところへ戻っている最中なのであった。












(2024.10.7)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ