表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/88

もやり

 食パンは都雅の手作りだし、食材も彼が買って来てくれたけれどそれでも、人生初の料理。人生初の手作りサンドイッチは、なかなかの出来だったのではと満足しながら両手で持ち上げたサンドイッチを見ていたのだが。

 ふと。我に返ったのだ。

 渡した時に、浅葱はどんな反応をするのか。と。

 五年間。仕事も私事もほぼほぼ不干渉で、食事も洗濯も掃除も互いに自分のことは自分でしていたのだ。

 急に干渉してどういうつもりなのか。

 そう問われたとしたら、どう答えただろうか。




 サンドイッチが、クッキーが、ピザが、シチューが、ヤサイズが食べたいと、独り言が時々聞こえてきて、作る気力がないのだろうから、じゃあ代わりに作ろうかと気紛れを起こしただけだ。

 五年間一緒に過ごしてみて、多分、これからも長い付き合いになるだろうと予想したので、今までありがとう、これからもよろしくとの伝言を込めてみたかっただけだ。

 少し。ほんの少しだけ。自発的に何かしようかという気力が、薬草に熱中する君を見ていて生じてしまったからだ。



 全部本当だけれど、何かが違うような気がする。



「うーむ」


 もやもやするなあ。

 史月は顎に手を添えて、渋面顔になった。











(2021.10.4)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ