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わけ




 何故受け入れたんだい。

 死んだ魚の目が灯って凛々しくなる瞬間を、俺が羨む目を見てみたかった。


 浅葱が師匠の家を訪れた初日。

 師匠から史月との同居の理由を問われてこう答えれば、返ってきたのは不気味な笑い声。

 耳に染み付くくらいに長い時間笑っていたかと思えば、師匠が断言したのだ。


 村里の伝達は早い。

 囃し立てる皆の反応に首を傾げつつ、浅葱は調合した薬草を渡したり、触診して新たに調合したり、見慣れない薬草の調合方法を思案したりと目まぐるしく活動。それこそ息つく暇もなく、その単語を深く考える暇などなく、村里を後にしたのであった。






「さっさと伝えろと言われてもな。伝えるべきことは伝えているしな」


 そもそも、恋とは何だったか。


 基本的に薬草にしか目が向かない浅葱は調べることから始めようとしたのだが、まずは留守にしていた間の自前の薬草畑の様子を見ることを最優先にして、恋の意味を調べるのは後回しにしたのであった。












(2021.10.14)



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