太井のウイルスと光田
久しぶりの投稿で申しわけありません。
「では、単語の復習から始めますねー」
あの一騒動の後、ようやく通常授業が始まった。
教鞭をとる芳﨑先生は、肩の高さで切りそろえた髪を靡かせ、颯爽と授業を進めていく。
時々、女子が扇間をチラチラと窺っているが俺はそんなの気にしない。
気にしないったら気にしない。
「でははしも・・・橋元くん、どうしたんですか?」
うおっ!?
「先生、マジですいません・・・」
何故だろうか、気づかずに鉛筆を握りつぶしていた。
何故だろうか、この心の奥底から湧いてくる無限の痛みと怒りは。
「本当に、最近どうしたんですか?まあいいです、この単語は和訳はなに?」
「それはクールと呼んで、カッコイイという意味です」
ドカンッ!
「「キャー!!!!!」」
おっと、教室の壁が。
****
「一体どうしたんだよ、お前・・・」
光田が、心配そうに聞いてくる。
親友の高島が怪我してさぞ心配だろうに、俺の事まで気にかけてくれるなんて。
「・・・と見せかけてのパァァァァァンチ!」
「グフアッ!?」
忘れていた、「光田流不意打ちパンチ」の恐怖を・・・
俺は腹を抑えて悶絶する。
・・・
「そんな茶番はいいとしてだ、お前本当にどうしたんだ?」
やがて俺が立ち上がると、光田は心底心配している、というような口調で話しかけてきた。
どうしたんだ、と言われてもなぁ。
「もしかしたら新手のウイルスかもな、それもとびっきりに頭がおかしくなるやつ」
「いや、そんなウイルスがあるんだったら太井が間違いなくウイルス持ってるだろうよ」
「だな、違いねえ」
はははっと二人でひとしきり笑った。
飽きるまで笑った。
我に帰ると、二人は絶望の表情を浮かべて太井を振り返った。
「「ウイルス源は、お、お前か・・・?」」
「あぁん?」
急に戦慄した表情でどうしたの?といわんばかりのあどけない表情で太井はそう返事した。
****
「救急車!タンカだぁあっ!!!」
「急患です!」
・・・なんていうバカ騒ぎは、いつまで続いたのだろうか。
少なくとも、学校中が新しいイベントの雰囲気を察知して、夕方まで盛り上がったことは違いない。
太井は終始、何故かニヤニヤしていた。
ドMなのだろうか。
いや、そうなのだろう。
ウイルスは性癖をも狂わせるようだ。
「太井くんは、なんでもなかったようです」
医師の診断は正しい。
ウイルスは虚偽の存在であったというわけか。
「・・・やはりガソリンの生命は尊い」
おい、松ロト。
空気読め。
この話、全然投稿できませんね!(笑)
これからもやる気と時間があれば頑張りますので
よろしくお願いします。