表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビの恋人  作者: 鳥原 麻生
PR
26/61

恐ろしい愛

 優介は自分の部屋で胸をなで下ろしていた。

(『塾に行かせてもらえないから、東大も無理』と沙織に言って、高級官僚の件は

あきらめてもらおう)

 区役所の職員程度なら、なれるだろう。以前の自分なら、考えてもみなかった仕

事だが。


 それにしても夢を失うとは、なんとつらい状態か。

 まるで生ける屍みたいな状態だ。

 実際そうなのだ。

(このままなら、死んだほうがマシじゃね? てか、二時になったら死ぬんだった)


 沙織が眠って想いが来なくなるからだ。そして自分の心臓は止まる。

(女ってのは分からない)

 眠るとき意外、ずっと俺のことを想って、それで楽しいのか?

 苦しいだけじゃないのか?


 そうだ、よく再会番組で母親が「あなたを忘れたことは一日も無い」なんて子供

に言う。あれと同じかもしれない。

 すごい根気だな。俺だったら、一年もしたら忘れるだろう。いや、半年持つかも

分からない。


 いま自分は生きている。沙織が俺のことを想っている証拠だ。彼女の愛(?)で

生かしてもらっている。そして、彼女は俺が安定した職業に就き、俺と一緒に安定

した生活を送りたいと思っている。それによって、自分の心が安定するからだ。こ

れが彼女のいわゆる愛なのだ。俺の夢を奪って生ける屍のように――実際モノホン

のゾンビにしておいてだ。


「おお、こわ、愛って」

 勉強する気など全く湧いてこなかった。

 優介は机の引き出しからゲーム機を取り出すと、全てを忘れて画面に集中した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ