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魔王LIFE  作者: フーミン
1章
6/62

6話 魔王の国の発展計画

現在、少しでも生活しやすくする為に国を作ることにした。

ㅤといっても魔の森の土地を広く使う訳では無い。地下に魔法で広い空間を作り、そこに魔物や魔族の住む国を作る。


ㅤドワーフ達の鍛冶屋も、移動することにした。

ㅤ俺が地下にかなり広い空間を作り、天井が落ちてこないように鉄を生み出した。

ㅤ地下は階層ごとに違う区間にしたい為、地下1階は商店街に。地下2階を配下の住む場所。魔の森の植物は魔素さえあれば育つとリアンが言っていたので、配下達で勝手に食糧は集められるだろう。

ㅤしかし、かなり広い空間に穴を開けたためか、1階の建物を生成している時に倒れてしまった。


ㅤ目を覚ますと、自分の部屋のベッドに寝ていた。リアンが運んでくれたのだろう。


「ルト様、現在配下達が魔の森の木を使って建物を建てています」

「何っ!? あいつら建築できるのか?」

「ドワーフが設計図を書いて、力のある者達で建築しています」


そうか……俺も脳内にある建物のパターンが無くなってきていた頃だ。


「あいつら……役に立つな」

「ルト様の役に立つ為です。ルト様は指示を出してくだされば、皆その通りに動いてくれます」


気持ちいいな。寝てるだけで発展する魔物の国か。


「そうか、じゃあ何か書く物を持ってきてくれ。

ㅤお…私なりにこれからの目標を考えてみる」

「分かりました。すぐに持ってまいります」


女の魔王らしく、一人称を『私』に変えてみたが恥ずかしいな。


ーーー


「持ってまいりました」


ドタドタと廊下を走る音が聞こえたかと思ったら、いつの間にか部屋の中にリアンがいた。


「これは……?」

「紙と魚の血でございます」


魚の血がインク代わり……?


「血を付ける物は?」

「すみません……倉庫には何も見つかりませんでした」

「あぁじゃあ木の枝で良いから持ってきて」

「あ、木の枝ならここに」


と、ポケットから歯型のついた木の枝が出てきた。


「……これで遊んでたのか?」

「っ……お恥ずかしながら」


顔を赤く染められても困るんだが。まあいいか。前世の俺だったら喜んで舐めてただろう。


「じゃあ私は集中する。仲間達の様子を見ててくれ」

「分かりました」


さてと……これからの目標だ。

ㅤどんどん白い紙が赤く染まっていく。するべき事を見つけ、それを達成する為の目標を書き出しているだけ。それだけで俺は充実感を満たせた。


ーーー


コンコン「ルト様、夜食の時間です」

「おっ……もうそんな時間か」


いつの間にか外は暗くなっていた。

ㅤ俺の城が出来てから初めての夜食。ちゃんと出来ているのだろうか。


「失礼します。魔の森で集めたキノコのスープと、人間の村から奪った家畜の肉を焼いたものです」

「おぉ見た目は悪くないな」


しっかりとした木の器に美味しそうなスープと良い焼き加減の肉。


「箸は?」

「箸……?」


あぁそうか、異世界には箸ってのが無いのか。今度ドワーフ達に作成を頼もう。


「手で食べるのか?」

「はい。スープは飲むようにして、お肉は手で持って。もし手を汚すのが嫌でしたら私が口移しでー」

「いや手で食べる」


早速スープを口につける。材料やらは分からないが、かなり美味しいな。あいにく食レポなんて学んでない為美味しいしか言えない。でも、これは前世のシチューに負けず劣らずの美味さだ。


「これ、誰が作ったんだ?」

「私と女ヴァンパイア、味覚の鋭い人猫族と一緒に作りました。お口に合いましたか?」


リアンが心配そうな顔で見てきた。


「かなり美味いぞ。明日もこれを作ってくれ」

「っ! ありがとうございます」


そして肉だが……こっちはただ焼いただけみたいだな。


「何の肉か分かるか?」

「ダークエルフ達が持ってきた肉なので……私には分かりません」

「そうか。次から何の肉か伝えるように言っといてくれ」

「分かりました」


料理方法なんか俺が知ったこっちゃない。とりあえず塩っぽいもんが見つかったら考えよう。

ㅤ肉を一口噛む……か、噛む。


「固いな」

「申し訳ありませんっ!!」

「いやいいよいいよ。これから勉強していけばきっと上手くいく」

「そ、そうでしょうか」

「そうだそうだ。頑張れ」


俺は肉をスープに浸して食べることにした。

ㅤこうすれば少し柔らかくなるからな。


「ほ、ほぉ……そんな食べ方が……」

「明日の料理、スープに肉入れてもいいぞ」

「分かりました! すぐに伝えてきます」


リアンが良い事を知った。というような顔で走り去っていった。

ㅤ完食した器をテーブルの横に寄せて、目標が書かれた紙を見つめる。


「ふふふふ……明日仲間達に魔の森の警備を頼もう、といっても滅多に人はこないんだがな。でもこんなに目立つ城が突然現れたんだ。警戒はした方が良い」


人間と争うつもりは無い。ならべく有効的に、あわよくば同盟国になり貿易など出来れば完璧だ。

ㅤ俺は1度人間達の街に言って、俺達の国に役に立ちそうな物を見つけよう。スパイみたいなもんだな。


「よ〜し。今日の俺頑張った!」


軽く体を伸ばして、目標の書いてある紙を壁に貼り付けた。


「やっぱ、何か夢があった方が人生楽しいよな」


これからの人生に夢を膨らませながら、ベッドで横になってゴロゴロ。

ㅤ魔王って楽勝だな。


……そう思っていた時期が私にもありました。

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