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魔王LIFE  作者: フーミン
3章
51/62

51話 世界に異常が

次の日、俺は1人でアキの部屋に向かった。


「あ、えっと……悠人」

「ルト」

「いや……その見た目で名前まで変わったら今まで通り接するのが難しくてよ……」

「気にしない気にしない」


友人が超絶美少女に変わっただけだ。


「それで、あの後何かあった?」

「いや、何も無かったな。……今からニュースあるから、それ一緒に見るか」


アキがリモコンでテレビを付けると、さっそくニュースが始まった。

ㅤやっぱりテレビって便利だな。


『朝のニュースです。昨日、太平洋上空に謎の巨大物体が現れました』


ここまでは昨日報道してたよな。


『ある一般男性から、上空から撮影した映像がテレビ局に送られてきました』

「上空から……!?」

「アキ〜? 部屋に誰かいるの〜?」

「だ、誰もいないよ〜!」


上空からって……どういう事だ……? あの時空には……まさか飛行機!?


『これは飛行機の機内からの映像でしょうか。謎の巨大物体の上には、大きな建造物がありますね……これはお城でしょうか』

『おそらく、地球外生命体はこの物体の上で生活をしているのでしょう。何か動く生き物も見られる』

『遠すぎてよく見えませんね……。新しい情報が入り次第、随時報告していきます』


マズイな……あの飛行機に乗っていた人に撮られていたか。


「これから何か予定は?」

「……アキはどうしたら良いと思う?」

「いや俺に言われても……でもまぁ、騒ぎが落ち着くまでは行動しない方が良いんじゃない?」

「そっか……ちょっと番組表見せて」

「ほい」


テレビの画面が切り替わり、今日放送される番組一覧が出た。


ㅤ……11時頃に "謎の巨大物体の正体に迫る 〜宇宙人を追え!〜" とかいう変な番組があるな……。注意した方が良さそうだ。


「しかし……は、ルトも言葉遣い変わったよな」

「そりゃあ……あっちの世界じゃ女って扱いだからね」

「俺と一緒にいる時くらい普通に喋らないのな?」

「癖になったから仕方ないよ……」


こういう口調で喋るのが当たり前になったしな。


「なぁ、今度そっち側に行ってみてもいいか?」

「えぇ〜? 別に良いけど……何するの?」

「見てみたいっていう興味だけ。駄目か?」

「駄目じゃな……いや……まだ……駄目かな。国民達も混乱しているし、しばらく落ち着いた頃にね」


今、リアン達が国民達を落ち着かせるために街を歩き回っているからな。本当は俺が行った方が良いんだけど、まずは状況を確認しないと駄目だ。


「にしても……マズい状況になったな」

「だね……こっちの世界じゃ私のとある能力も使えないし」


《世界の神》という技能が無効化された今、かなり不利な状況に陥っている。


「って、さっきから何食べてるの?」

「朝食のお茶漬け」

「1口頂戴!」

「ばっ! な、何言ってんだよ。今性別違うんだぞ!?」

「むぅ〜……」


久しぶりに日本の食べ物を食べたい……。


「悲しい顔すんなよ…………はぁ……全部食え」

「いいの!?」

「お前が口付けしたもんを俺が食うわけにはいかないだろ」

「あざす!」


ありがてぇ……うめぇうめぇ。

ㅤ久しぶりに食べたなぁ……お茶漬け。やっぱり古き良き味って感じで、なんだか帰ってこれて良かったって気分だ。


「ふぅ〜……」

「食うの早いな」

「それじゃ、私は一旦帰るね」

「はぁ……ここはお前の家じゃないんだぞ」

「はいはい、じゃね〜」


満足したし、自分に部屋に転移した。


ーーーーー


部屋に戻ると、リアンが掃除をしていた。


「あ、おかえりなさいませ。ルト様」

「うんお疲れ。どうだった? 皆の様子」

「一応、私達が大丈夫そうに振る舞っているので、安心して今は落ち着いてます」


そうか。じゃあとりあえず国民達は建築作業の再開に取り掛れるな。

ㅤ大事なのは……元の世界に戻る方法、もしくはこの世界で平和に暮らす方法だ。これからの予定をしっかりと練っていかないとな。


「そういえばルト様。あの鏡はどこにありますか?」

「鏡……? 知らないけど? リアンが持ってるんじゃなかった?」

「え……私は持ってないですよ」


あれ……じゃあ誰が持ってるんだっけな。修復出来ないかサハルに頼んでもらおうと思ったんだが。


「ルト、いるかい?」

「あ、この声はサハル。丁度良いところに」


サハルを部屋に入れて、鏡について聞いた。


「あの鏡ならルトが持ってるんじゃなかったのかい?」

「それが……私はリアンが持ってると思ってて……でもリアンは持ってないし」

「ん〜……どこにいったのでしょう」


本当に、あの鏡があれば戻れそうだと思ったんだがな。

ㅤまあフェンディアかチヒロかミシェルの誰かが持ってるだろう。


「じゃあ私は鏡を探してくるついでに、国民達に顔を見せてくるよ」

「あ、ちょっと待って」

「ん?……あ、何?」


そういやサハル、俺に用があってこの部屋に来たんだった。


「どうやらこの世界にも、魔素があるらしいんだ

「この世界に?」

「正確には、魔素が特定の場所から出続けている」


特定の場所から……。


「不自然だね」

「そう。もしかすると、僕達がこの世界に来たことによって、何か異常が発生しているかもしれない。それを伝えにきただけだよ」


異常か……有り得るな。この世界に来てから魔法を何回か使ったし……。魔法を使った後、そこには魔素が残る。それで地球全体に影響が出たのだろう。


「まあしばらく様子見って感じで」

「そうだね」

「じゃあちょっと行ってくる」


俺はサハルとリアンと別れて、城下町にやってきた。

ㅤ今は大分落ち着いている様子で、皆仕事に取り掛かっているな。


「お、ルトちゃん。どうだった?」

「普通って感じ。いつもと変わらない場所だったよ」


フェンディアがいたので、日本の状況を伝えた。


「あ、鏡持ってる?」

「鏡……? サハルが持ってるんじゃねぇの?」

「サハルも私も、リアンも持ってないの」


フェンディアも持ってないのか……じゃあ誰が持ってるんだ。

ㅤ俺は何か悪い事が起きている気がして、少しだけ焦りを覚えた。

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