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つぎの日、森じゅうのどうぶつたちがあつめられ、大ザル先生の話を聞きました。
「わしらが生まれるずっとむかしから生きてきたかしの木じいさんは、どうやらそのいのちを終えるときがやってきたようじゃ。じいさんは、このままだれもちかづけずに、しずかにいのちを終えたいとねがっているようじゃが、はたして、それでいいのかのう?」
たくさんのどうぶつたちがあつまっているにもかかわらず、だれも口をきくものはいませんでした。そのかわり、小さなすすりなきが、あちこちから聞こえてきました。
しばらく、しずかなときがながれて、顔をつき合わせているおとなたちのかたまりのむこうがわから、高い声がひびいてきました。
「じいさんのえだに星をあつめてあげようよ。おちてしまった葉っぱのかわりに、たくさんの星でかざってあげようよ!」
あの白ウサギの子が言ったのです。まわりにいた子ウサギや子ザルやウリボウたちが「それがいい、それがいい」と声をあげました。