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子ウサギが、すあなにもどると、そのすがたを見て、母さんウサギがひめいを上げました。
「なんてことなの! だれにおそわれたの?」
子ウサギは、じいさんのせいにしたくなくて、だまっていましたが、そのせなかについたはっぱを見て、かあさんウサギは気づきました。
「かしの木じいさんね! このところ、どうぶつたちにいじわるをはたらいているというじゃない? ひどいわ、こんな小さな子にまで!」
母さんウサギは、子ウサギの話も聞かずに、どうぶつ村のおさのヒグマをたずねてうったえました。
「かしの木じいさんは、りゆうもなく、小さな子どもにけがをさせたのよ。もうだれもあそこをたずねないように、みんなにしらせたほうがいいわ!」
ヒグマは、母さんウサギの話を聞いて、ううんとうなっていましたが、やがて「そうだな」とうなずきました。
「たしかに、かしの木じいさんはかわってしまった。もう、楽しいむかしがたりをかたってくれたり、どうぶつたちのあそぶすがたをやさしく見まもってくれることもなくなった。あれだけ大きな体であばれられたら、つぎはもっとたいへんなひがいになるだろう。みんなには、おかにはちかづかないようにいっておこう」




