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ある夏の日のこと、白ウサギの子がひとりでやってきて、かしの木じいさんに、はなしかけました。
「ねえ、ねえ、きょうも、むかしのお話、聞かせてよ」
じいさんは、ねむっているのか、へんじをしません。
ウサギの子は、じいさんの耳もと(大きなウロ)にちかづいて、思いきり、声をはり上げました。
「ねえ、ねえ、じいさん! いつものお話、聞かせてよ!」
耳もとで、きゅうに大声を出されて、目ざめたじいさんは、すっかりきげんをそこねてしまいました。
「ええい、うるさい子ウサギめ!」
そういって、じいさんがみきをよじるようにぶるっとふるわせると、子ウサギは、ぽぉんとはじきとばされてしまいました。さらに、みきをよじったいきおいで、小えだがおれ、子ウサギめがけてふってきました。
小えだといっても、きょだいな木のえだは、ふつうの木の大えだとおなじくらいのおもさがあります。えだは、子ウサギのうしろ足の上にどさっとおち、子ウサギはうごけなくなってしまいました。
びっくりした子ウサギは、ひっしにもがいて、えだからうしろ足をひき出すと、ずりずりとはいずるように、すあなにかえっていきました。