表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

11


挿絵(By みてみん)


 長い長い冬をすぎ、山やまは雪どけをむかえました。

 とけた雪の間から、小さなみどりのめが、あちこちかおを出しはじめました。

 雪どけでできた小さなながれをおうようにして、子ウサギは、ぴょんぴょんとはねていきます。


 やがて、かしの木じいさんのおかのふもとにたどりつきました。


「春がやってくるまで……」


 じいさんとのやくそくはまもりとおしました。

 子ウサギは、ひさしぶりにそのおかに上っていきました。






挿絵(By みてみん)


 おかのちょう上に、かしの木じいさんのすがたはなく、ねもとからおれた大きなみきがよこたわっていました。


 子ウサギは、立ち止まって耳をひくひくとうごかし、なきそうな顔で、そのすがたを見つめていましたが、やがてごくんとつばをのみこんでかくごをきめると、大きなみきのざんがいにちかづいていきました。

 かげになっているところは、まだかたくなった雪がおおっていますが、日の当たるところは、しっとりとなめらかな木のはだがのぞいていました。


 大きなねのまわりをはね回って、ねのわれ目をのぞいた子ウサギは、「あっ」と声を上げました。

 そして、いちもくさんに、すあなまでとんでかえっていきました。


 子ウサギが見たのは、大きな大きなねの()()()()のかたすみから、わかみどりのほそいめが顔を出し、空にのびようとしているところでした。


         おわり




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ