表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/20

ライチ

 『ぉお!! こ、これが……! かの有名な楊貴妃が食べたという……。ん? いや……クレオパトラだったな? いやいや、違う違う。……小野小町って事は……、ないないないない。うん。やっぱりそうだ! 楊貴妃であってる。……これを食べれば俺も……』


「あんた何泣きながら、ライチ貪り食べてるの!?」


 いつの間にか、俺の前に姉が立っていた。


「あっ! アネキ! ………聞いてくれよ! 俺、この前のバレンタイン。一つもチョコ……貰えなかったんだ」


「で……、ライチを食べて美男子になろうと?」


「そうさ! かの有名な楊貴妃も美しさの秘訣の為に食べたという幻のフルーツ! これで来年、女子達を見返してやるんだぁ!」


「本っ当に、あんたバカね。そんなの食べたからって、美男子になるわけないでしょう」


「アネキに俺の気持ちが分かるのかよ!」


「だからぁ~。泣きながら食べなくても、いいじゃない……。それに、あんたチョコレート貰ったじゃん」


「いつ!? 誰に!?」


「あげたじゃん。わ・た・し・が……」


 そう言って姉は部屋から出て行った。


『……チョコって、ポッキー1本じゃねぇか!! 俺ってどこまで、惨めなんだ……』


 ライチを食べる手も止まり、ただうなだれるしかなかった。










 「ねぇねぇ母さん聞いてよ。あいつったらさ、バレンタインにチョコ貰えなかったからって、泣きながらライチ食べてるのよ。バカだと思わない?」


「そう? あっち見てご覧なさい。父さんもチョコ貰えなかったらしくて、今泣きながらレモンパックしてるわよ」




「も〜! 父さんまで! 私がポッキー1本あげたでしょ!!」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ