表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/20

仏への道

 『この世の真理は、無限の宇宙そらに在り。……今、まなこに映る現実が、この世の真理の現実ではない筈だ! 俺は今、無限の宇宙そらと同化を行い、凡人には見えぬ、世界の真理を我がまなこに映しだすのだ! ………心頭滅却すれば火もまた涼し。………きこと風の如く、しずかなること林の如く、おかかすめること火の如く、動かざること山の如し。………光陰矢の如し。……いや、これは違う。……悟りだ。悟りをひらくのだ!! ………ほら、……見えてきた。……見えてきたぞ。………ばあちゃん……、ばあちゃんが手招きしてる………。あぁ! ここは違う! 悟りをひらくつもりが、死後の世界へ通じてしまった………。無心。………無心に徹するのだ!!』


「……!! ちょっ………!!」


「………」


「あん………! ……てるの!!」


『何やら、うるさい小蠅がおるようじゃの。無心じゃ。無心なのじゃ!!』


「こ……!! もう!! ………!!」


『ようやくどこぞへ行きよったか。無心。無心に徹するのじゃ!』






「お母さ〜ん!! アイツが! アイツが!! 井出らっきょになっちゃった!!」


『誰が井出らっきょだ!! あ!! 無心……が………』


「へ〜、そうなの? あの子ったら、井出らっきょになっちゃったんだ」


『母さんまで!! あ〜!! 悟りが遠ざかっていく……』



 俺は座禅を組むのを止め、部屋から顔を出すと大声で叫んだ。




「誰が井出らっきょだ!!」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ