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水計画

 『人間は一週間何も食べなくても、水(水分)さえ飲んでいれば死ぬ事はないらしい。よし!! 今日から一週間、水とお茶だけで生きてみてやる! まず初めに今日の晩メシを食わない事から始めるか。っと新たな挑戦を宣告しておかないといけないな』


 俺はルーズリーフを一枚取り出し、マジックペンで【今日から一週間水生活します】と大きく書くと、部屋の扉にセロテープで家族に見えるように貼り付けた。


『よし! これでOK!』










 夕方になりアネキがノックも無しに入ってきた。


「あんたねぇ。ガンジーにでもなろうって言うの? 無理無理。もうすぐ御飯だからね!」


そう言い残すと、そそくさと部屋を出て行った。




『アマいな。アネキ。今回はマジでやる気アリアリだぜ!!』


と部屋から一歩も出ずに、お気に入りのコミックを一巻から読み返す。








 少しの間があり、人の気配を感じ頭を上げると、そこには真っ赤な顔をした《鬼》が……いや、母親が立っていた。


「何……?」


と言った途端


「御飯出来たわよ!! 断食したいなら自立してからやりなさい!! 作る人の事、ちょっとは考えなさい!!」


と《雷》いや《稲光を伴った稲妻》が俺の頭上に直撃した。


「は、はい!!」




 そうして、俺の一週間計画は水の泡と消え去った。




『水で一週間だったから、水の泡? ぷぷぷ。はぁ、笑えねぇ……』



 部屋を出た俺が最初に見たものは、【今日から一週間水生活します】と俺が書いた文字の上に赤字で【一人でしなさい】と乱雑に書かれた《鬼》の文字だった。



『怖ぇぇぇ!! メシ食いに行こ……』




 その後、俺は父親と母親に挟まれ、土下座のまま平謝りしたのは、言うまでもない……。







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