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悪戯
姉が出ていって、早くも三ヶ月が過ぎた。家族は何も変わった様子なく過ごしている。そういう俺も、もう姉がいない事に馴れてきていた。
ある日俺は、突然ある事を思い付いた。おもむろに、姉の部屋へと入っていった。姉の部屋は、出ていった時のまま置いてある。俺は本棚に近寄ると並べてある本を一冊ずつ丁寧に逆さにむけていった。全ての本を逆さにし、
『なんだか面白みに欠けるな』
と思い、部屋を後にした。
その後俺は部屋に戻って、財布を持って、ホームセンターに行って、また姉の部屋へ行ってと大忙しだった。
『はぁぁぁ……、疲れたよ……』
と姉の部屋を出ると、なんだか臭い。いや臭過ぎる! ふと、横を見るとズボンのお尻のところがプクッと膨らんだ父がいた。俺は思わず、台所に向かって叫んだ。
「母さ〜ん!! 父さんがう○こ漏らしてるぅ〜!!」
「嘘ぉ! またぁ!!」
暫く間を置いて返事が返ってきた。
俺はすぐさま自分の部屋へと駆け込むと、大きく深呼吸をした。
『ん? また? ……またって、初めてじゃないのかよ!!』




