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蝕む身体
『ある晩、俺の身体に取り憑いた悪霊は、俺の身体の中を熱く焦がしていった。身体の中だけでは物足りないらしく、頭の中まで入ってくる。俺の頭は重くなり、定期的に訪れる痛みに「うぅ!」と唸り声が出る。身体は熱く燃えたぎり、細部に至る関節にまで痛みが生じる。あぁ! 俺の身体は、どうなってしまうんだ!』
「ハァ。あんた、いつまでそんなくだらない妄想にふけっているつもり……。ただの風邪でしょ! 薬飲んで早く寝なさい!」
そう言うと姉は、水と薬を置いて部屋から出ていった。
『アネキ。そんな陳腐な言葉で俺の心を虐めないでくれ!!』
「マジで、しんどくなってきた。薬、薬っと。あ〜ぁ寝るか」