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婆様の重い その3







あと少しで桃に手が届く その時!!!






「待ちな!!!」






ガシッと腕を握られた




「だ…誰だい!?」




「モモばあちゃん!!! 独り占めしようったって、そうはいかないよ!!」



村の若妻達がそこに居た




「な…、何を言っておる?」


冷や汗が止まらぬまま返す………




「モモばぁちゃんが長生きしたがっているのは 村人全員の周知の事実!!」




「そして、権力を欲していることもね!!」




「3年前の村長選に落ちた時 

どれだけ悔しがっていたか………

 誰もが見ていたからね!!」




「選挙運動中だって、やたらと品物をくれたり 食べ物の差し入れをしてくれたりして

 有権者全員に賄賂を贈っていたでしょ!!


…………うちには、大根漬けだったわ!!」


と、乙




「えっ!?うちは、板海苔だったわよ!!」


と言うは舞




「ちょっと、あんたのほうがいいものじゃないの!!此処には海がないのだから 私だって海苔が欲しいわよ!!」


乙が怒る




「あーら!!うちの方が有用だったのよ!!


ごめんあそばせ!!おーっホッホッホ!!」


得意げな舞




「ぐぬぬぬぬ……………」






「ふっ…… うちは、バナナだったわ!!」



最後にしてやったとばかりに言ったのは華




「「えっ!?!?


  どういうこと!?


 だいたい、なんで、あんただけ 高級品なのよ!!


 そんな舶来品の高級品はこの過疎村には入手の手段すらないはずよ!!!」」






握られている腕に力が入る…………




「「モモばぁちゃん、どういうこと!?」」








「皆様、うちだけがバナナだったからって、文句は言わないでちょうだい!!


おーっホッホッホッホ!!!!!!


我が家の票が村長選には大事だったってことよ!!」


と、得意げな華




「な〜に言ってんだよ!!


 モモばぁちゃんは落選してるんだよ!!


ら·く·せ·ん !!


あんたの家に力がないことも 皆に知れ渡っているんだよ!!」




「そんなことないわ!!


うちの父は 好々爺で知られている人よ!!


ポチだって飼っているのだから!!」


と、華




「ふん!そのポチだって、隣の家の意地悪さんに惨殺されているのだから


あんたの家には何の力もないわよ!!


そんなだったら、うちの父のほうが凄いわよ!!


ずっと頬にあったコブを 遠慮なくオニにくれてやったんですからね!!


舞を踊れば天下一品だしね!!」


と、舞




「そんな、舞だなんて 何の役にも立たないわよ!!

オニが喜んだだけでしょうが!!


お殿様の目にとまった うちの父の花を咲かせる技のほうが凄いわよ!!」




「あ〜ら…もう、灰はお殿様に献上してしまって何もできないのでしょう!?


口出しだけならやめておきなさい!!


まさに、負け犬の遠吠えね!!


お〜っホッホッホッホ!!!!」




「やめなさいよ!!


お互いに 言い合っても良いことはないわ!!」


と、乙




「何言ってるのよ!! いい人ぶってるんじゃないわよ!!


あんたこそ、いい加減に300歳超えのあのじーさんなんとかしなさいよ!!


全く、急に年取ったとか言って まーだ若い気分のままでいるから 色ボケもいいとこよ!!


若い女見ると走ってそばに来るのよ!!


で、


おれの乙姫! って口説いてくるの


もうね、若い女の子みんな 突撃されて恐れているんだからやめさせてちょうだい!!」




「…はぁ〜〜〜……………仕方がないわ!!


ほんの三月程前まで二十代だったんですもの………まだまだ気が若いのよ


あぁ…………


海辺の村で問題が起きたから 山あいに引っ越してきたのに………もぅ、また引っ越しなんて、ムリよ!!


……この 桃さえあれば 引っ越し代になるわ!!


しかも、旦那とも縁を切っても困らないわ!!


わたし、色ボケには付き合ってられないの!!


自由よーーーーーーーーーー!!!!!」




「そうさね、働かないで山で休んでいる旦那なんて………!!」




「あれはダメ これもダメ!

贅沢ばかりするな!!って言うばかりの


お金にケチ臭い旦那なんて……………!!」







「「「いらないわーーーーーー!!!!!!!」」」






若妻達全員で左手は腰に 右手は握り拳を作り高らかに天へ掲げた!!!!!!







よ………よし、若妻共が揉めているうちに


この桃はわしのものじゃぁぁぁぁ!!!!!!!



いひひひひひ………………………







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