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シン世界-日本最強の九二歳が全てを斬り伏せる-  作者: のっぽ童子


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ウラない

万祝は自室で殺し屋一家に見合わぬようなモニターを付けて、誰かと対話をしていた。


「ばあや、元気にしてる?」


万祝が明るく振る舞う。


「ああ、はい。坊ちゃんもお変わりないようで......」


ばあやは黒いローブを着ており、顔はよく見えないが、八〇は越えているように思える。


「今日も占い、頼むよ」

(といっても、結果は同じなんだけど)


万祝は上を見た。


載一族は先祖代々から、一人、外の占い師を本家に招く風習がある。


一族を(まと)めるには占いは効果的なのだ。


だが、このばあや、実はヤブ医者ならぬヤブ占い師だった。


(小さい物事には不吉なことを言い、大きな物事には大言壮語を言ったりする......本家がそれを知ってても、ばあやを外さないのは、人の心を突き動かしてくれるからだ)


例え嘘でも、出来ると言われたら、台風が起きても、津波が起きても、者共は躍起になる......それが、ばあやの小さな魔法だ。

ばあやは一族の癪に障らぬようにしているだけなのにも関わらず。


(ムウの時は占いが間違っていたけど、今回はそうならないで欲しい)

「ばあや、そろそろ終わったかい?」


万祝が慣れた口調でモニターに目をやる。


「ああ、はいはい。出ましたよ。どれどれ......」


その瞬間、ばあやが焦る。


「申し訳ありません、坊っちゃん! もう一度、振らせてくださいませんか!?」


声を荒らげて言う姿を万祝は驚き混じりにまじまじと見た。


「え、あ、うん」

(こんな、ばあや初めてだ......)


いくつかの棒の激しい音がした後、またもや、シワの深い頬が青ざめる。


「もう一度、いいでしょうか......!?」


「いや、いいよ」


慰めるように言うと、万祝は席を立つ。


「坊っちゃん......」


「占いが欺くとしても、俺は勝ってみせる」


あの頃から体躯と精神は一回りほど大きくなった。

そして、この逆境を乗り越える......それはムウの生き様そのものだった。


当主である兄を越えじと、初代当主に負けじと、万祝は数多くの者に支えられ、今バブエの前にいる!

今こそ、力を発揮するときだ!

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