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暗澹異能戦記  作者: ポルスカ
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坂の下の泥沼

 現代、それは夢を見られる者にとっては可能性で前が開ける時代。見られなかったものにとっては届きもしない雲を見続ける時代...


俺は、山本宗茂やまもとむねしげは、その雲から蹴落とされた奴だ。


この日本は、一部の者たちが所謂いわゆる超能力というモノを持っている世の中である。


俺もそういうものを持っていることには持っている、ただし力を1.1倍にするだけの大外れ能力だったが。


周りが炎やら雷やらを使える環境でただ一人少し身体能力が上がるだけ..仕事を覚えたころには既に居場所が無くなっていた。


この国の警察は極秘裏に超能力者を集めている。

何故極秘裏であるのか、理由は警察の中でも下っ端も下っ端であった俺にはわからない。何がともあれ昨夜メールで能力の無能さ、そして高卒のため学歴も無い為にクビを宣告されてしまった俺は、荷物整理に警察庁本部に向かった..能力はわかるが高校卒業した時にスカウトしてきたのは警察(あんたら)なんだがな..


この建物の入り口は当然ながらいつも騒がしくごった返している。しかしこの国の治安維持という大義故の騒がしさである。


「このデカいビルからもおさらばか 大海の広さ(俺のショボさ)を知った3年間だったな..

今日整理が終わったら21歳独身無職 さてどうしたものかな」


と少し卑屈になって一人ビルの暗い影の下でボヤいてみる。この陰影から出れる日は来るのだろうか。


まあ20代前半だし就活すりゃそれなりに仕事もあるだろう。と、楽観的に思い直す。


入り口の職員さんに別れの挨拶もそこそこにエレベーターに向かう。


折角だし思い出作りに職場(警察庁)をじっくり回ってみるかな。と一人寂しくも思い出作りに走る...そういえば最上階なんて働いていたのに見たことないな...

そう思いなんとなくエレベーターのスイッチを虚しく押した。


エレベーターに乗って最上階に向かってみる。

いくら機械が上に昇ろうと人として上には登れなかった三年間が歯車と共に駆け巡る、これだから一人は嫌なのだ。どうも良くないことも思い出してしまう。


ピン と最上階でドアが開く、東京のビル街、そして江戸城の水堀と石垣が無機質に見える。こんなに思い入れのある職業だったのかな、とクビになってから思う。


憂いと共に最上階を回っているとその一角に「staff only」の仰々しい立札と共にグオン..グオンと謎の機械音が響く。


通信室なのだろうか...

「『staff only』とあるが俺も今日まではギリギリ職員ということでいいだろう。それに俺もstuff(荷物)を取りに来ているからな」


そうして自身の若気の至り故の好奇心に言い訳をしつつ、重々しいドアをこじ開ける。


ー---もしこのドアを開けなければ、俺の人生はすべて違ったのだろう...そう後々思うことになるとは、この時まだ知る由もない。


ドアを開けたその先に待っていたのは、能力者(おれら)の墓場であった。



「....なんだ.....これは..」


そこに通信用の機器など無かった。あったのはひたすらに広々とした薄暗い部屋と実験器具。

そして人骨と何かを頭に取り付けられ悲しき玩具と言わざるおえなくなった惨き死体。

五体はバラバラに切り裂かれ脳はえぐられて鮮血を垂らしている人だったモノもあった。

そして薄暗く腐敗臭漂う部屋の壁の立札に踊る


「能力者改造兵器実験室」


の文字、恐ろしく達筆でかつ綺麗に書かれていた。


文字通り終始俺は絶句した。こんなものがこの世に存在しているのか?なんで職場にこんなもの(死体)が在るんだ?


なんで..?



なんで...?


しかし次の瞬間バチン!とくたびれた蛍光灯が付き、考える暇すら俺は与えられなくなる。


「山本君かね 君の能力は利用価値も無いからほっとく予定だったんだけどね..仕方ない ここで『廃棄処分』だ」


「長官....?」


ただただ無機質に、俺に銃口が向けられていた。


第一話終 



今回私自身久々の投稿であり、内容も月並みになモノではありますができるだけ頑張ってまいりますので、応援よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 現代異能力モノは個人的に大好きだし、ストーリーもこの後の展開が楽しみです。 [一言] 続き待ってます。
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