<6>息を吹きかけても良い?
彼女が暮らす檻の前にしゃがみ込む。
どっしりと腰を下ろして、ペタンと座る彼女と視線を合わせた。
「ひゅっ……!」
涙でぬれた大きな瞳を俺に向けながら、彼女がちょっとだけ後ろに下がる。
うん、完全に怯えられてるな。
さてと……。
「初めまして。俺の名前は、六吏 司。よろしくね」
太い鉄のパイプに膝が当てるまで前に出て、隙間から手を差し伸べる。
出来る限りの優しい笑みを浮かべると、彼女はオドオドしながらも近付いてきてくれた。
彼女が、うんしょ、うんしょ、って近付くたびに、おっぱいが揺れている。
……すげぇ、まじですげぇ。ぷるぷるだ!!
「モモ、です。えっと、あっ……」
出しかけた手を引っ込めて、お腹の辺りでゴシゴシと拭う。
ちょっと待て!
服に触れるのはやめろ!!
引っ張るな!
まじで、まじでやばいから!!
小山のてっぺんが、上からこぼれるから!!!!
「よろしくお願いします……」
「あっ、うん。こちらこそ」
ハラハラ……、というよりはドキドキと見守っていたが、ギリギリだった。
一瞬だけ、マジで見えたんじゃないか!? と思ったけど、ギリギリだった。
……ちくしょう。
小さく乗せられた真っ白な手を優しく握り返す。
「ぁっ……」
モモは大きな瞳をぱちくりと見開いて、なぜか驚いたような表情を見せていた。
彼女の顔が、目と鼻のさきにある。
改めて見ると、やばいほど可愛い。
瞳はくりくりしてるし、おとなしそうな仕草がグッとくる。
これはダメだ。
我慢なんて出来る訳がない!!
俺はもう無理だ!!!!
説得?
そんな物は、どうでも良い!!
「あのさ。頭を、なでても、良いか?」
「ひっ……!?」
「あっ、いや、変な意味じゃなくて。ちょっとだけ、ちょっとだけだからさ」
「……えっと。……やさしく、してくれるなら」
マジでか!!
やさしくして、とかおまえ!! おまえ!!
ぐふっ……、ぐふふふふふふ。
「触るよ?」
「はい……。どうぞ……」
小さく下げてくれた彼女の頭に手を乗せる。
「んゅっ……」
俺の指先が、ふわふわとした髪に触れると、彼女の肩がピクンと跳ねた。
小さく声を漏らしながらも、モモはその場を動かないでいてくれる。
やべぇ、超可愛い、やべぇ!!
「痛くないか?」
「はっ、はい……」
ちょっとだけ慣れたのか、頬を赤くそめながら、彼女はゆっくりと目を閉じた。
「大きな手。気持ちいいです……」
「そっか。それは良かった」
やっばい!! この子、やっばい!!!!
どうしよう、ドキがムネムネする!
布を押し上げる迫力がすぐそこなんですけど!?
息を吹きかけたら揺れそうなほど、近くにあるんだけど!???
息を吹きかけて良い? 良いよね? どう考えても良いよね??
「…………えっと、どうかしましたか?」
「あっ、いや、ちょっと深呼吸をしたくなって」
目の錯覚かも知れないけど、ちょっとだけ揺れました。
モモが不思議そうな顔をしているけど、後悔はしていない!!
でもってさー。
すっきりとしたお腹と、綺麗な曲線まで見える下乳と、胸が押し上げた布。
そこに大きな隙間があるんだよね。
すげー魅力的な空間があるんだよね。
そこに手を入れたいっす!! すっごく入れたいっす!!!!
「ぐぅぅぅうううう!!」
「んゅ? どうか、しましたか……?」
「あっ、いや。何でもない。うん。なんでもないんだ」
耐えろ。耐えるんだ!
さすがにそれはまずい。
髪を撫でているせいか、モモはずっと目を閉じているけど、どう見ても警戒されているからな。
無防備に見えるけど、多分それは、俺への罠だ。超えるための試練だ。
モモが自分から『いいですよ……。あなたの手をここに、入れてください』って言うまで耐えるんだ!!
大丈夫だ。俺はやれる!!
「そっ、そうだ。俺はモモちゃんを買いたいんだけど、要望とかってあるかな?」
「要望、ですか?」
閉じられていた瞳が、パチリと開いてくれた。
危なかった。
無防備な巨乳は、マジでやばいからな!
誘惑がマジでやばいからな!!
「そう。したいこととかってある?」
「したいこと……。それって、聞いてもらえるんですか??」
「もちろん」
わっ、と目を輝かせる姿は、なんだか年相応のものに見えた。
大きな胸や、頭に角が生えていたりするけど、普通に可愛い女の子なんだよな。
「そうですね。したいこと……」
なんて口にしながら、人差し指をあごに当てて天井を見上げる。
コテリと首をかしげて、ふわふわの髪を揺らしている。
「したいこと、したいこと……」
無意識なのか、俺を誘惑しているのか。
ぺたんと地面に付けた太ももが、もじもじと動いていた。
かろうじて彼女の腰を守っていたスカートが、ゆっくりとずれはじめる。
「っ……!!」
やばい、それ以上はマジでやばいから!!
見えるから! 見えちゃダメな布が見えちゃうから!!
ってか、柔らかそうな太ももがすでに凶器っ!!
やっぱりあの隙間に顔をはさんで――。
「……いや、ちょっとまて」
「ふぃゅ!! ごめん、なさい……」
「あっ、違くて。こっちの話。こっちの」
涙目になったモモに優しく微笑んで、ゆっくりと髪をなでる。
だが、そんな事よりも問題なのは、彼女のお尻の辺りだ。
彼女が足を動かした影響で、薄い布がお尻のラインに張り付いている。
くっきりと素敵なお尻のシルエットが見えている。
見えているのだが、そこに浮かび上がるはずの、ラインが浮かんでこないのだ。
そう、おパンツ様の痕跡がないのだよ!!!!