<4>エロフの少女
やべぇよ、やべぇよ。
超ドキドキする。
血の高ぶりが止まらねぇ!
こんな感覚は、先輩に連れられて大人のお店に行った時以来だぞ!?
……いや、行ったことないんだけどさ。
「戦闘力の低い者は上なのです。足元にお気をつけて」
店員の背中を見ながら、階段をのぼる。
まず見えてきたのは、個別に仕切られた牢屋のような場所。
太い鉄格子の向こうにいる、女の子たち。
女の子だち!!!!!!!!
「おほー、金髪、美女!! こっちには青髪の美少女! あれはもしや、エロフじゃないか!!!!!! ふぅ――――!!」
やっべ、テンション上がってきた――!!
どの子を買っちゃう? 全員? もしかして全員??
みんなに拒否権の無い命令しちゃう!???
ふは――――――!!!!!!
特にあのエロフ。
いいねぇ、やっぱ、異世界はそうじゃないとな!!!!
「……おっ、おぉ! お客様はおめがたかい! おっしゃる通り、3番の部屋にいる彼女はエルフですね。魔法の適正がないため安くなっておりまして、
大金貨で300枚になります」
「…………(´・ω・`)」
買えねえよ!!!!!!!!
マスターに聞いたけど、小金貨100枚で大1枚だろ!?
小200枚、大で2枚分しかないって言ったよな!?
200枚って、馬鹿じゃねぇのか!?
「エロフ……、エロフが買えないなんて……。俺がオークの役をやろうと……」
目の前で『くっ、殺せ』って言わせる予定が……。
俺の夢がぁ……。
「?? 申し訳ございません。価値の高いものから並んでおりますので」
「そう、ですか……」
店としては出来るだけ高い商品を買って欲しいだろうからな。
仕方がない。エロフは諦めよう。
“くっころごっこ”は、お金を貯めてからだ。
いや、それにしても素敵な眺めだな。
おっぱいの大きい子も小さい子も、みんな肩丸出しの布を着ている。
2枚の布を脇の下で縛って、ウエストを1本の紐でくくているだけだから、服って呼んだら色々と怒られそうだけど、すげー良い。
腰から下はスカートのように縫い付けてあるけど、すげー短いな。
「横乳はみ出しまくり! 太ももがやばい! かがむと谷間も見える! ふへ、ふへへへ!!」
なんて洗礼された布なんだ!
間違っても服じゃないが、そんな事はどうでも良い!!
見えそうで見えない。
それが最高に素晴らしい!! マーベラス!!
「お、お気に召したようで、何よりでございます。こちらへ……」
「うっす! うはー、あの子の太もも、ふへへへへ」
右も左も、エロカワイイ女の子ばかり!
綺麗な女性も多い!!
ここは、なんて素敵な場所なんだろう。
天国って、異世界にあったんだな!
やべぇよ。俺のデュランダルが暴走しそうだ!!
「くはっ、猫耳少女!! くぅー、そっちは悪魔ッ子! 良いよ、すごくいいよーー!!」
もう何というか、最高!!
悪魔の尻尾が生えた女の子に、猫耳の少女。
背中に天使の翼を持つ女性。
オオカミの尻尾に狐の耳、羊の角、コウモリの翼などなど。
奥に進むにつれて、何かしらのパーツを付けた女性が増え始めた。
みんな超可愛い。超綺麗。超エロい!!
「彼女は妖狐族ですね。窃盗で捕まり、5年が期限の奴隷になります」
「なるほど。もふもふの尻尾がエロカワイイですね!」
そしてなによりも、手のひらに収まりそうなジャストサイズのおっぱいが素晴らしい!
太ももの張りも最高だ!!
でも、5年か……。
「お気に召しませんでしたか……」
「いや、そういうわけじゃないんだけどさ」
価格はちょうど小金貨200枚だが、5年で離れ離れは辛すぎる。
「出来れば、生涯支えてくれる女性が良いんだよな」
「かしこまりました。もう少し奥へ進みましょう」
「そうしよ、――おほー! あの子のおっぱいすげー!! パフパフしたい!!!!」
「……2年の羊族ですね」
「くっ……」
布の上からでもわかる、神々が作りたもうた最高の形だった!!
それが、二年とか! 二年とか!!
ちくしょう!!!!
「行きますよ、お客様」
「……はい」
1人部屋から始まって、2人部屋、3人部屋。
この辺りは、5人から6人くらいが1つの檻に入っているようだ。
年齢も様々で、横乳も谷間も様々。
太もも、二の腕、おしり、わき腹、おへそ。
髪の長さも色も様々な魅力的な子が、鉄格子の向こうにいる。
買うのはやめにして、俺もあの子たちと一緒に閉じ込めてはもらえないだろうか?
10人くらいと一緒に。
出来れば日替わりで!!
「ん……? あの子は?」
そんな中で、たったひとりで檻に入っていた少女が、俺の目にとまった。
桜の花びらのようなふわりとした髪が、ゆるやかなカーブを描いている。
年齢は15歳くらいだろうか?
柔らかそうな太ももを後ろに曲げて、ペタンと地面に座り込んでいる。
大きな瞳は涙で濡れており、頬に伝わるしずくをクシクシと両手で拭っていた。