爆発の巻物
ああ、朝がきた。あれからも、今日話した人にいろいろ変身した。本当に便利だ。
今日は、冒険者ギルドにいって身分証を作ってもらわないといけない。そろそろ行くとしよう。
っと、その前に自分のステータスを見返す。
《アキト・ハシモト》
種族 人
系統 魔法師
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気力:350
MP:1484
筋力:45
耐久力:35
速力:30
物理攻撃:50
物理防御:35
魔法制御:130
魔法抵抗:100
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スキル
ノーマルスキル:料理
◇武術スキル◇
剣術
片手剣術
槍術
瞬間速度上昇
察知
身体速度上昇Ⅲ
肉体防御Ⅲ
◆魔法スキル◆
第一級魔法:ファイアボール
ウォーターボール
ウィンドカッター
第二級魔法:波動
ファイアアロー
ウォーターアロー
ウィンドアロー
身体強化Ⅰ
身体防御Ⅰ
MP回復上昇Ⅰ
第三級魔法:打ち消し
ファイアウォール
MP回復上昇Ⅱ
第四級魔法:炎柱
炎槍
炎包
第五級魔法:爆発
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評価A
やばい、俺強いんじゃね。Aランクは、かなりいいほうだぞ。いや、調子にのるな俺。自分で、習得したわけじゃないんだから完璧に使いこなせるようにしなければ。騎士団長がとにかく強すぎるのだ。そのおかげで、だいぶステータスも改善された。自分よりも、変身した相手のステータスが高ければそれに合わせて自分も上がるようだ。そのほかにも、衛兵さんからは、槍術を。宿のおかみさんからは、料理のスキルが手に入った。
宿を出て、冒険者ギルドに向かう。
すぐにああここが、冒険者ギルドか!とわかった。
周りの建物に比べて一際大きいし、何より周りは木やレンガの家ばかりなのに石造りになっていてわかりやすい。なんか、堂々としている。
近づくと、人がたくさんいるのがわかる。
どうやら掲示板のようなものに群がっているようだ。
まるで、バーゲンに買いに来た奥様達のようだ。
見ている分には、別にいいが入る気にはならない。
冒険者ギルドの前は、屋台がたくさん並んでいる。
どうやら、冒険者達が買ってからモンスターを狩ったりするようでかなり売れていそうだ。
時間稼ぎの為に、周りの店にふらっと入ってみるとそこは魔法道具屋さんのようで剣やら槍やらスティックやらが置いてあった。特に、額縁に飾ってある長剣がとても目立っている。
その中で、気になったのは魔法陣のようなものが書かれた巻物だった。
「あのーこれってなんなんですか?」
と、我ながら阿呆な質問をしているなと思いながら店員さんに聞く。
「これは、家庭用魔法や第一級魔法を習得できる巻物です。左から順に、(ファイア)(ウォーター)
(ファイアボール)(ウォーターボール)(ウィンドカッター)になっています。どうですか?」
「家庭用魔法ってなんですか?」
「家庭用魔法は、魔法適性のない人でも使える魔法で(ファイア)と(ウォーター)がそれに当たりますね。ファイアは、料理に簡単に使えますしウォーターは飲み水に使えるので大変便利ですよ。金貨5枚で提供しています。」
「な………!金貨5枚?!」
「ええ、適正価格ですよ。とても使い勝手がいいので好評なんですよー。」
確かに、これはとても便利なものだ。まず、飲み水にもお金がかかるためこれさえ習得できればその節約になる。いくらでも使い放題といっても過言ではない。
それに、ファイアはキャンプなどをした時や野宿をした時に料理したり、体を温めたりするのに使える。
というか、冒険者には必須と言えるだろう。
つまり金貨5枚でも、需要は十分あるということだろう。
まあ、ぶっちゃけいらないといえばいらないのだが家庭用魔法は、魔法のなかでは最低ランクでありながらカテゴリーが攻撃魔法や支援魔法と異なるので変身を使っても絶対に手に入らないというわけだ。
そういえば、宿の女将さんが持ってたな。
また、そのうちお金が貯まって余裕があったら買うとするか。
「あの、この巻物はなんですか?」
手に取ったのは、他のと比べものにならないほど古びていて茶色になっているが存在感がとてもあり一目見ただけでこれは!と思った。
「ああ、これは私の叔父が魔法陣の研究をしていましてこれはその不良品です。魔力をこめると、すごい勢いで爆発するらしいですがタイムラグがないんだそうなんです。だから、相手よりも自分が近いので自分の方がダメージが大きくどっちにしても一瞬で死んでしまうそうなんです。」
「つまり、自爆攻撃なら使えるってこと?」
「そうですね。本当に使えないんですよ。死んじゃったら終わりですからね。」
「あの、それってどれぐらいの値段なんですか?」
「え?!まさか買うんですか?自殺はダメですよ。」
「いや。魔法陣学を少し学んでまして改造できるかなと思ったんです。魔力は込めないでも改造はできるので一度試してみたくて。」
「なるほど。そういうことでしたら、銀貨5枚でいいですよ。」
「それなら、買います。」
「まいどありー。また来てくださいね。
あっそうだ。さっきの叔父の店に一回よってみてください。改造できたら、とても喜ぶと思うんです。第一城壁の東門の前あたりにあって、エヴァン魔法陣店っていうので行ってみてください。そこには、もっと巻物もあるんでいいものも見つかるかもしれませんよ。」
「改造できたら、いってみますね。ありがとう。」
ふう。店を出た。まさか、こんなにいいものが手に入るとは。もちろん、魔法陣学なんて持っているはずがないし、改造なんてできるはずもない。
しかし、俺には変身がある。つまり、変身している状態なら死んでも相手が死ねば自分の勝ちなのだ。自分はダンジョンコアの中に戻るだけなのだから。
叔父さんにも、あってみたいなぁ。もしかしたら、魔法陣学が学べるかもしれない。
今度行ってみよう。