ミアとの連携
20階層からは、3時間かけて1層練習することでいい感じに連携が組めるようになってきた。
ミアは、自分でも言ってたように軽戦士のタイプのようで回避が得意なようだ。
ヒット&アウェイをしながら戦っていく。
でも、それじゃ群れのバイソンは難しいんじゃないかな?と思っていたが
ヒットしたら次のバイソンにヒットさせ、
また戻ってくると言う、ヒット&ヒットの形を取っていた。たしかにそれなら、順調に倒していけるだろう。
僕は、その間を縫って倒していく。
一発で倒せるのが嬉しい。
「攻撃力もおかしくない?変だよー。どう考えてもファイアーアローの火力じゃないよね。」
って言われた。
「そうか?」
まあ、そらそうだな。
ステータス補正がかかってるからだろう。
攻撃力だけは、今回下がったステータスは関係ないだけに攻撃力は補正で高くなっている。
まあ、ステータスが見合ってないのだけれども。
20階層からはやはり一層一層に時間がかかっていく。
難易度が高くなってきたというのもあるけれど、
単純にダンジョン一層の大きさが広くなっているからだ。
10階層ごとにどんどんエリアが広くなっているらしい。
これは、このダンジョンの仕様で全部が全部おんなじ感じではないらしいが。
11階層から20階層までは、僕の変って言われるやり方でショートカットしてきている形になっているから、あまり気づかなかったが
21階層からは単純にまた、草原なので
より広さを感じられる。
夕方になってきたので、今日は21階層で切り上げて戻ってきた。
「今日は楽しかった!ありがとう。私はこのまま組みたいなって思ってるんだけど、どうかな?あんまり私活躍できてなかったから不安なんだけど…。」
「僕も楽しかったよ。それに、21階層ではめっちゃ活躍してたじゃん。 もし、よかったら組もう!」
「いいの?ありがとう。私頑張って、追いつけるようにするね。まぁ、アキト君ほど変に強くはなれないかもだけど。」
「変って何だよ。変って。」
「ふふっ。ごめんごめん。でもいい意味でだから、いいじゃない。」
「俺。そんなにおかしいか?」
「うん。おかしいよ。」
「即答されるとなぁ。ちょっと凹むわ。」
冒険者ギルドに一緒に向かう。
パーティーを組むときは、冒険者ギルドで報告した方がいい。そうすることで共同の口座を作ることができる。
「わかりました。アキト様とミア様は、これで正式にパーティーとして認められました。これで、今まで受けれなかったパーティー用のクエストも挑むことができます。これは、三ヶ月に一回は受けてください。
そうしないと、自動的にパーティーは解散ということになります。どうぞよろしくお願いします。」
「了解しました。」
これは、どういうことかと言うと、
冒険者ギルドは、冒険者を様々なことで助け
身分を証明する代わりに、冒険者たちは
クエストを受けなければならない。
クエストというのは、困った人が出すもので
簡単な物だと薬草が足りないのでとってきて欲しいなどという物だ。
基本的に困った人を助けてそれに対する報酬をもらい、その何%かをギルドは受け取る形になっている。
しかし、パーティーを組まなければ危ないクエストが多いのでソロだとクエストを受けなければならないという義務はなかった。強制ではなかったというのが正しい。
しかし、パーティーを組むからにはクエストを受けてもらわないと困るということだろう。
当然二人とも了承する。
その後は、ドロップアイテムを売る。
「はい、半分ね。」
「いやいや、私ほぼ活躍出来てないからいいよ!」
「いや、二人で挑んだんだから半分は渡さないとおかしいよ。」
「いや、私がパーティー組んで貰ってるんだしもらえないよ。」
「うーーん。分かった。僕が2受け取って、ミアは1受け取って!これでいいでしょ。というか、そうじゃないとこの話終わらないよ。」
「うっ。わかった。でも本当にいいのに。」
「これから、二人でやっていくんだったら後腐れない方がいいでしょ!それに今回だけだからね。次からは、絶対半分半分だから。」
「分かった。明日からはもっと活躍出来るよう頑張る!」
「いや、充分活躍してたって。まぁ、頑張ってくれるのは嬉しい。それで、明日も組む?」
「うん。じゃあ、7時30分ここ集合でオッケー?」
「いいよ。じゃあ、また!」
こうして、早めに分かれた。
ミアは、はっきり言ってCランクとしては強い部類じゃないかな。と思う。
僕が変なのは絶対、あのスキルのせいだろう。
誰も持ってないだろうし、持っていたら怖いぐらいだからね。
変身は異常に変なスキルだし、人のスキルを一段階下とはいえ、使えるようになるとか
人より多くのスキルを覚えてしまうに決まっている。
あまり冒険者として、動いている間はほぼこのスキルは使いたくないなぁ。まぁ、土系の勇者がいれば遠慮なく使うかもしれないけれども。
ミアが僕をパーティーに誘った理由は、単純に強そうだからだろう。
初心者で、Cランクになった人をよく考えてみたら誘うのはおかしくないし早めにパーティーを組もうと思われたのは光栄だ。
あの子は、すごい純粋な笑顔を向けてくるからこちらがびっくりする。なぜか、ドキドキするのだ。そのうち慣れるだろう。
一緒に頑張っていきたいって思う。