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冒険者とダンジョンマスターの二刀流  作者: 月を好むもの
転生したら、ダンジョンマスターになりました。
13/26

ギルドマスター




ギルドの奥の客室のようなところに通された。

そこは、豪華というほどではないが質素ではなく部屋の周りには調度品が部屋にしっかり合うように並べられていた。相手を信頼させるために作られた部屋だからだろう。とてもいい雰囲気だ。



しばらくすると、大柄のダンディーな人が入ってきた。



「ようこそ冒険者よ。私は、ギルド副支店ギルドマスターの、ヘビー・ルタックスだ。この度は、始まりのダンジョンで真の宝箱を見つけたと聞いたが、本当かね。」


「はじめまして、サキトと申します。わざわざ、ギルドマスター自ら忙しい中お越しいただきありがとうございます。始まりのダンジョンの25階層のボスを倒した後の転移湖の後ろにある宝箱を開けると、この杖が出てきたので報告しに来たんのですが。」


「それは、本当かね。ロズ君。あそこは、確か罠だったはずなのだが。」



「ええ、実はあの罠の後ろにまだ部屋があったようなんですそれをぶち抜くとほんとうの宝箱が出てきたんです。経緯をお話ししますと、………………………」



と、一通りあったことをロズさんが説明してくれる。

その合間合間に、俺がいかにすごいかと言うことを話してくれる。まあ、お世辞だろう。ロズさんの方がすごいし、真の宝箱を見つけることができてテンションが上がっているのだろう。



「ほう、なかなかに信じがたい話だがサキトくんギルドプレートを見せてくれないかな。どうなっているのか見てみたいんだ。」



そこには、


冒険者ランク      C



功績

始まりのダンジョン25階層突破。



と書いてあった。



「なるほど、たしかに事実のようだな。それにしても、君は初心者じゃなかったのかね。」


と、ギルドマスターが聞くと自分が答えるよりも先にロズさんが、


「Aランクの実力はありますよ。少なくとも、Bランクはあります。特殊な状況とはいえ、トロールを何台体も倒していますから。」

と言う。



「それは素晴らしい。これからの活躍に期待しますよ。」



「その杖を見せてくれないかな。」


「ええ、いいですよ。」



とても目を輝かせてじっくりと、色々な角度から眺めている。

そして、鑑定が終わったのかとてもニコニコしながらこちらを見て、

「この杖を買い取らせてもらえないかね。もちろんそれなりのお金は払おう。どうかな。」

商売をする気満々だ。



「あまり、売る気はないのですがどれぐらいの金額でしょうか。」

と、交渉の余地はあるように見せる。



「大金貨8枚でどうでしょう。」

完全にこちらが売り手になった。

ちなみに、大金貨8枚もあれば30年は遊んで暮らせるだろう。


「白金貨一枚を下るようじゃ、話にならないですね。」


「なかなか、厳しいことをおっしゃる。なら、白金貨一枚でいいでしょう。」


「いや、こちらは最低でも白金貨1枚といったはずですが、そうですね。白金貨10枚でどうでしょう。」


「そんなそんな、それではこちらが赤字になってしまいます。いくら、真の宝箱から出てきたアイテムは全て帝国が買い取るといってもさすがに白金貨10枚は出せませんよ。もっと安くで売ってくれませんかね。」


「正直こちらとしては、あまり売りたくないのです。単純に攻撃力が2倍になるのですよ。魔法士なら誰でも喉から手が出そうになるぐらい欲しいものです。

それを、そんな安い値段で売ることはできません。」


「たしかに、そうですがそんなものを持ち歩いていると、いつか盗まれるかもしれません。盗まれて仕舞えば、パァーです。しかし、売ってしまえばそんな心配はいりません。どうでしょう。白金貨5枚で買い取らせてもらえないかね。」


「うーん。たしかにその心配はある。なら、間をとって白金貨8枚でどうです?それ以上は下がることはできませんね。」



「わかりました。それで手を打ちましょう。この契約書にサインをいただけるかな。」


内容を深く読み、抜け穴がないかしっかり確認した後サインする。


「交渉成立だ。お金は、冒険者ギルドに来てくれると金貨10枚までならいつでもひき引き落とすことができる。ギルドカードを提出してくれたらいつでもできるぞ。それ以上の金額は3日前に言ってくれると用意できる。最初に大金貨5枚渡しておこう。」


「あっ、半分はロズさんにあげてください。」

そう、途中で俺は遮った。半分は、ロズさんがいたから助かったしそのお礼はすべきだから。


「えっ?いやいいよ。ほとんど全部君がやったんだから、もらいなさいよ。」



「えっと、彼女のに半分つけといてもらえますか?ギルドマスター。」


「ふっいいだろう。本当にお前はいいのだな?」


「はい。では、そろそろ帰りますね。では。」


「えっ!?ちょっと待ってよ。えっえっえっ?!?」




ギルドを出ると、ロズさんは付いてきた。

「君があんなに強いなんてびっくりしたよ。どこで、あんなに強くなったの?それに、ギルドマスターとあんな交渉するなんてすごい。まるで大人のようだったよ。あのさ、一緒にパーティ組まない?私、もう一回パーティ組みたいって思っててさ前は失敗したんだけど、今度こそ失敗しないで頑張りたいって思うの。」



「んー。少し、今回のことで疲れちゃって休みたいと思ったんです。それに、俺はパーティは作らないって決めてるんです。だから、すいませんが断らせてもらいます。でも、今回は本当にありがとうございました。」


「……そう。わかった。ありがとう。」



「はい。では。」



「あっお金ありがとうーーーー。」



「いえいえ。また。」


こうして、アキトは宿に帰っていった。



――――――――――――――――――――――――


「なかなか、面白いやつだったなあ。きっとあいつはこれから活躍していくぞ。彼は大物になるだろう。」



「はい。私もそう思います。ギルドマスター。」



「これからは、しっかり観察していくことにしよう。そして、何かあったら報告してくれ。」




その晩、ギルドには小さなありが潜り込んでいた。




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