8-11 学校3
国民に勉強をさせると通達させた4日後、学校の校舎が完成した。
そして新しい貼り紙を出してそこに大人を集めた。
この日だけは学業の日、というふうにして仕事を休みにした。
「みなさん、これからみなさんの知っている算術を便利にするものをお教えします。」
みんなはそんなものがあるのかと不思議そうな顔をするが、女王であり信頼のある私が言っているというのもあるのだろう。
なんだろう、と好奇心を出しながら待っている人たちもいる。
「みなさんは今まで1つ1つ計算していましたね。
ですがそれだと3桁の計算ができない。
できないとは言いすぎましたが、難しいと思います。
なので、筆算というものの計算法をお教えします。」
そう初めて、大臣たちに教えたのと同じように筆算の仕方を教える。
「どういう理屈かはわからないが本当にあっている!」
「すごい!!」
「楽になったよ!」
「さすが女王様だ!」
どこかで女王コールが始まったかと思うと、またたく間にコールが広まっていった。
「いえ、筆算を作ったのは関孝和という外国の方です。」
「外国の人なのか。」
「女王様が行った場所か?」
「でもそれを教えてくれた女王様ばんざーい!」
結局コールが始まった。
「静かにしてください。次のものを教えます。」
すると静かになったので掛け算と割り算を教えていく。
これもたった1度話しただけで覚えてくれた。
女王の話、という事だからか熱心に話を聞いている。
私が予定した時間よりも早くに大人達は覚えて帰っていった。
そして、次の日になり最後の勇者たちが到着した。
大臣たちに、勇者たちに城に来るように伝えさせる。
数十分が経ったあと、応接室に揃ったと大臣の1人が教えてくれたのでそこへ向かう。
中に入ると全員がいて、私のことを見た瞬間に膝をついて項垂れた。
「頭をあげてください。
今日、用事があったのは私からです。
どうぞ好きな場所におかけください。」
そう言って全員を座らせた後に自分で椅子を作り出してそこに座る。
「あなた達を呼んだのは今回作った学校で働いてもらいたいからです。
あなた達は知っているでしょう?学校のこと。」
「え、あ、ああ。そのことって話したっけか?」
「それは私の秘密に繋がります。」
「それじゃあそのことは聞きません。
どんなことを教えればいいんですか?」
「筆算と乗法除法です。」
「そうですか、分かりました。
冒険者としての仕事もあるので、」
「それなら2人ほどいてくれればいいのでローテーションで行ってくれればいいのですが。」
「わかりました。」
「働いてくれるのでもちろん対価は払います。
なにか欲しいものはありますか?」
「俺たちは今働いている分でも充分なので大丈夫です。」
「俺もこの前助けてくれたから充分だ。」
どうやらみんなは対価がいらないらしい。
「そうですか、それじゃあ何も無い、というのは悪いので1つだけ私の秘密を教えましょう。」
1呼吸置いてから口を開く。
「気づいてるかも知れませんが、私は元々の日本人でした。」
証拠に、というように学校で使われているような木の椅子と机を作り出す。
「やっぱりそうだったんだ。」
「なのでこの世界の学力レベルが低いと思ったのです。
これが学校を建てようと思った理由です。」
「そんな秘密言ってよかったんですか?」
「まだ沢山ありますし些細なことですよ。」
と、少し笑って日本人たちには城でパーティーをして解散した。




