閑話8 終結
城の中に入ってみて、まず思ったのが禍々しいという感覚的なことだった。
魔王がいるから、という理由があるので不思議ではないが、まさしく禍々しいと思えるようなものだった。
全方位に気を配りながら、上の階へ、奥の方へと進んでいく。
途中、魔人にあったが、なんなく倒すことができた。
「俺様は四天王の1人!」
「私も四天王の1人!」
そんな感じで自分の役職を叫んでから倒そうとしてくる。
せこいとは思うが隙だらけだったので喋っている途中で倒してしまう。
素早く移動し、殲滅も行う。
「この大きな扉、魔王がいるんじゃないのか?」
「その可能性は高いな。」
注意をしながら扉を開ける。
「待っていたぞ勇者共。」
そこには椅子に座った、魔人とは全く違う生物がいた。
「魔王、、」
魔王は椅子から立ち上がり戦う体制に移った。
「かかってこい人間の勇者共。」
「みんな!ダンジョンと同じだ!」
ダンジョンのボスと同じように多方向からの攻撃をすることにする。
最初に前衛職で突っ込みながらメイジが魔法を放つ。
流石に避けるかと思ったが、魔王には普通にあたり魔法もすべて直撃した。
「まさか、これほどとは、、」
魔王が驚いたような顔になった。
「降参しないか?謝って復興に力を貸せば許してくれるはずだが。」
誰か1人が魔王にそう問いかける。
それを聞いた瞬間魔王の額にシワが寄った。
「人間に降参?人間なんぞに頭を下げるだと?
笑わせるな。そんなことがあってたまるか!」
途端、魔王の全身が黒い闇に包まれ、ほんの少しだけ姿が変わっただけだが、先程とは全くもって違う存在のようになった。
「ゼンインコロシテヤル」
喋り方が変になって、聞き取りずらくなったが、敵意と殺気、怨念などの負の感情が伝わってきた。
そこからの戦況は逆転した。
魔王の動きが、先程のとても弱いものとは全く変わり俊敏に動き、重い一撃を出してくるようになった。
「ソノテイドカ?ヤハリニンゲンニアタマヲサゲルナドアリハシナイノダ!」
みんなかなり消耗し始めている。
ポーションを大量に買ったが、それを飲む時間を与えずに魔王が追撃をしてくるのだ。
拳と魔法で何度も突撃、追撃を繰り返している。
俺はポーションをくわえたまま剣を振って、そのポーションを魔王に投げつけて1つの攻撃手段としているが、全く意味は無い。
隣などでは、1人、また1人と仲間たちが倒れていく。
ラストスパートだ!と言わんばかりに攻撃の勢いが増してきた。
俺も攻撃をいなしきれずに、ところどころ攻撃を受けてしまう。
「コレデサイゴダ!」
魔王がそういうのと、俺たちが壁に吹っ飛ばされたのは一緒だった。
「コンナモノカ、ニンゲン。イマラクニシテヤル。」
そう言って近くにいた仲間の元へと歩き出した。
その拳が仲間に触れる直前、拳ごと魔王が吹き飛ばされた。
「大丈夫か?」
「加勢に来たよ!」
「久しぶりにうてがなるな。」
「街の恨み、晴らしてもらうわ。」
そこに現れたのは亜人国の王と女王、ドワーフ王、人魚姫だった。
「俺らの国を好きなように荒らしやがって、許さないぞ。」
獣人の王はすごい速さで魔王に接近して殴り、すかさずエルフの女王がか強力な魔法をぶつけた。
ドワーフ王が、大きなハンマーを持って魔王を殴っている途中で、人魚姫の歌声が聞こえてきたと思うと、指1本動かなかったはずの体が、治っていき、みんな動けるようになっていた。
「これが俺たち老耄に出来る最大の助力だよ!あとは頼んだぞ!」
「前略の一撃を叩き込め!勇者共!」
その言葉を聞いて、再び剣を握り自分の今の力を最大限まで引き出して、魔王に一撃を入れる。
その後も、たくさんの斬撃と魔法が魔王にあたり、魔王の周りに煙が立ちこんだ。
「やった、のか?」
と言い、煙の上がる方をよく見てみると、魔王が空を飛びながらこちらに向かってきた。
迎え撃とうとすると、魔王はそこを通り過ぎ、魔王城のある部屋に向かっていった。
俺達もそれを追いかける。
途中で何人もの魔人が魔王について行った。
そして魔王が入った部屋。
そこにはなにかの裂け目があった。
「何だ、これ、」
「とりあえず入ろう。」
「そうだな。魔王にもトドメを指しておきたい。」
他のみんなも同意見のようで裂け目のなかへ入ることにした。
そこは真っ暗な空間で、けど、なんとなく前に進もつとだけ思えた。
1つの光が見えて、そこを通るとなにかの室内に出た。
魔人たちは既にどこかへ向かってしまったようで1人もいない。
とりあえず禍々しい気配がする方向に行ってみようということでその方向に周りに警戒をしながら移動を始めた。
数分間移動していると、遠くの方で爆発音が聞こえた気がした。
そのまま移動をするが、その間も爆発音は聞こえて移動すればするほど音が大きくなってきた。
だが、その音が消えた。
それから少し時間が経ってから、誰かの悲鳴が聞こえてきた。
そして、ようやく見えたのがシャルティア女王が魔王を倒すところだった。
1度、目を疑った。
俺たちが束になって、他の国のトップに手伝ってもらってようやく倒せた相手が、たった1人に圧倒され、それに、フルヒーリングという対象の怪我などを完全に回復させる魔法を使って全快になったはずなのに、それからすぐに悲鳴をあげ始めたのだ。
元から女王様は何か違うような気がしたが、それはこれだったようだ。
俺たちはみんな、その光景をただただ見るだけの傍観者となっていた。




