7-12 裂け目の先の世界
裂け目に入ると、少し落ちる感覚があり、どこか真っ黒な空間に来た。
「どこだろう、」
その空間は、ただひたすらに闇が広がっていて壁も、ましてや地面をあるかわからない場所だった。
(とりあえず歩いてみよう。)
立っていても何も変わらないので歩き始めることにした。
数ろ歩いて気づいたのは揺れて見えた髪が黒ではなく白銀、元の色に戻っていたのだ。
魔法が使えないのか、と思ったが、ここに来た時に魔法が解けただけで魔法は使えた。
戻す必要も無いと思うのでそのままにして再び歩き始める。
数分、歩き続けていると、裂け目が見えてきた。
それは、私が最初入ってきたものと似たもので、異世界に繋がっていると思えるものだった。
私は裂け目の中に入った。
目を開けると、そこは石でできた建物の中のようだった。
(遺跡、かな?)
とりあえず外に出てみる。
予想はしていたが、魔王に支配された世界は瘴気が漂い、草木が枯れ、大量の魔物が徘徊していた。
見たことのない魔物ばかりだが、魔物は弱そう、いや、弱かった。
(レベル60が最高だっていう理由は魔物の弱さだったんだ。
とりあえず、瘴気と土地を浄化しておこうかな。)
近くの魔物を殲滅した後に上空に飛び上がり光魔法と風魔法を使って瘴気と土地を浄化し終わる。
次に、人間が住んでいないかを調べると、この世界の果ての方にたくさん住んでいることがわかった。
(とりあえず、戦ってるみたいだから加勢をしに行こうかな。)
空を飛びながら人のいる方へ向かう。
途中、大量の魔物を見た。
もちろん空にも魔物はいて、鳥から竜まで様々だったが私が速すぎたのか追ってこなかった。
「ぐわぁ、」
「王様!」
「はやく、時間を稼ぐ、逃げろ!」
着いて、空から様子を見てみると魔人が人を殺そうとする途中だった。
「ヒール
やめなさい、戦う気がないのであれば殺しはしません。」
魔人と人の間に降り立ち魔人に忠告する。
「ん?何言ってんだおめぇ、ふざけてんのか?
お、中々いいやつじゃねぇか奴隷になるんなら許してやるぞ?」
「はあ、あなたこそ何を言ってるんですか?
まずあなたが私を倒せると思ったんですか?
この世界の果て瘴気と土地、すべて変わっているのがわからないのでしょうか?
あれやったの私ですけど、」
「あ?」
魔人はやっとそのことに気づいたらしい。
「な、魔王様が長い年月をかけて変えていったのに一瞬だと!?」
「それで、戦うんですか?逃げてもいいですよ。」
「はったりだろ!へっ、お前の四肢を切り落としてたっぷり可愛がってやるから覚悟しな、ひゃははははは!」
魔人ははったりだと決めつけて、さらには下衆た事を考え始めた。
「ダークボール」
私は魔人の片手を吹き飛ばす。
「はははは、は?」
魔人はイマイチ状況を理解出来ていないようだ。
残った腕を、無詠唱のダークボールで吹き飛ばす。
「う、うああ!うでがーー!うで、うでが!うでがーーーー!」
「静かにしてください。
それと、私はいたぶるのは趣味じゃないんでもう終わらせますよ。
パニッシュ」
一言で魔人は消えてしまった。
(闇魔法ってかなり便利かもしれない。
今度からはもっと使うようにしよう。)
今までの実践も含めて闇魔法を評価する。
周りを見渡すと、人が沢山いて、その中でも怪我をしているものが多かった。
(回復させてあげよう。
それでもって魔物にはダメージが入るものにして、冒険者や騎士達の仕事を減らさないように微ダメージ継続でいいかな?)
「ヒールレイン」
空高くに飛び上がり魔法を発動。
空から薄い緑の光を放つ雨が降ってくる。
それに当たった瞬間、怪我に反応して治癒を施す。
1粒1粒の回復量は少ないが降る範囲、時間、量が大きいのでかなり使いやすい。
この魔法は子供のころ王都で1度だけやったことのあるものだ。
その時は心が綺麗な人だけを直そうとした結果、盗賊やスリなどが大量に捕まり、王都での治安がものすごく良くなったのはその頃の私にはわからなかった。
そして今回、問題なく発動した魔法が数多くの人を癒し、何故か祈りを捧げ始めた。
(傷を癒したまではいい。なぜ祈る?
神じゃないよ?赤髪の神様ー!この世界は頼んだ。)
心の中で神様に頼み事をしていると先程まで戦っていたお爺さん?おじさん、とにかく年をとった老人がこちらに来た。
老人と言っているが、それほどよぼよぼではなく、体格などもしっかりしているように見えた。
「あ、貴方様のお名前を聞かせてもらってもいいでしょうか、」
「私はシャルティア・テスカトル、異世界から来た女王です。」
とりあえずそう答えることにした。




