7-9 森火事
「シャルさん、用意できました。」
ダンジョンが一般に解放されてから4週間、約1ヶ月経った今、勇者たちが魔王城に行くのを決めた。
その道は、以前ライナーさんたちが通った道で、シャルとして私が付き添いをすることにした。
「魔物と戦いながらいくよ。魔界に近づくにつれて魔物は強くなるから気をつけてね。」
勇者たちに走り出した馬車の中でそう忠告する。
実は勇者たちはみんなレベルが100を超えていたりする。
なので魔物なんかは簡単に死んでしまう。
夜になるまで移動をしたが、亜人国が見えてきたあたりで泊まることにした。
「テントを張る前に焚き火と調理器具を用意して、食事を作ってね。」
今日は日本では休日だったようで私の感覚を通してみずきちゃんもキャンプ気分を味わっている。
簡単な料理を作りそれを早く食べる。
いつ襲われるかは分からないのでそうするのだが、そんな必要は無いくらいに強い。
それでもダンジョンにもくっていた頃の習慣?みたいなもので早く食べている。
その後テントを張る。
私は馬車の上で寝ることにしている。
理由としては周りを見渡せるから、と言っているが馬車の上の寝心地が王城のふかふかベッドとはまた違う趣があるのを感じたからだ。
(ハンモックみたいでいいんだよね。)
私はそう感じている。
そしていつもより早い時間に寝静まる。
王城には私が数日間帰らないことを伝えている。
一様何かあった時のために、王国で作られた新しい魔導具を国全体にばらまいているので安心だ。
寝静まった中、私は何かが燃える匂いと悲鳴が聞こえて目が覚めた。
(なんだろう、いや、燃えているということは亜人国!?)
私は水魔法でまだ寝ている勇者たちを起こす。
「うわっ!」
「ぶふっ!」
「みんな早く起きて!亜人国が燃えている!私は先に向かうから、あなた達も早く起きて馬車を走らせてね!」
それだけ言って転移で亜人国の上空に行く。
「レインバースト!」
威力高めの雨を森の上からどんどん落としていく。
「エアコントロール!」
次に、森の中で充満している一酸化炭素と二酸化炭素を上に飛ばして呼吸ができるようにする。
神眼でこの火事の犯人を探す。
「火の精霊を魔人が使っている?
それなら、サラ!」
サラを呼び出す。
「あそこにいる火の精霊たちを止めてきて。
術者は1人以上は生かしておいて。
抵抗するようであれば殺していいよ。」
私の言うことを最後まで聞いてサラは元々の大きさに戻り精霊たちの元まで行った。
「だが魔王様よりもらったこの力で倒してくれる!」
「いや待て!火の精霊がいうことを聞かないぞ!」
「どうなってやがる!」
そんな動揺した声が聞こえてくる。
「それなら実力で殺せばいいだけだ!」
そう言ってそれぞれの戦闘体制に入った。
そこで私は闇魔法で弓矢を作り出した。
水魔法や火魔法ではなんでか出来ないが闇魔法では作ることが出来たのだ。
闇魔法は多彩な武器を作り出し倒すのがいいと分かった気がする。
職業を弓士にして魔人に向けて上空から闇でできた矢を放つ。
「あれ?外れちゃった?まあ練習あるのみだよね。」
開き直って矢を放ちまくる。
次第に弓を操るのが楽になってきた気がする。
「召喚、ロビンフッド」
ここで本物を呼び出す。
「なんだこりゃ!森が燃えてんじゃねぇか!」
呼び出されて、その現場を見たロビンフッドは驚き、そして怒った。
「あそこにいる魔人たちが犯人みたいだから、ここから弓矢で倒して。
私もやってるけど当たらなくて、」
「任せろ。森を大事にしない奴には容赦はしないからな。」
ロビンフッドはすごいスピードで矢を放ちまくっていた。
そのすべてが命中。
サラがその巨体で相手を吹き飛ばすと、どこかにぶつかる前に上から飛んできたやが魔人を地面に止めて手足にも矢がささる。
2人ほどそうしてくれて、それ以外は殺していった。
私は既に火が消えた森の中に降りる。
「あなた達は誰に言われてこんなことをしたの?」
魔人たちはその質問に答えようとしないので軽く拷問をしたら話した。
やはりあの魔王の仕業だったらしい。
ここにいた火の精霊はこの世界にはいないもので、きっとあの魔王が来た世界から持ってこられたものだろう。
火の精霊は魔人が死ぬと私たちのところに来て感謝し始めた。
「僕たち、強制的に力を抜き取られていたんです。」
ということらしい。
一様魔法を使って確かめるとホントのことらしく、許してあげた。
次に亜人国の人々を集め怪我人などを治していった。
治療は勇者たちも行っていたようでかなり助かった。
森の木々は黒くなって、葉が無くなっていた。
「直そう。」
そう1言つぶやき木に触れる。
自然と頭に浮かぶ呪文を唱え始める。
「弱まりし命よ、我が魔力を使い、過ぎ去りし姿に巻き戻れ!」
私の呪文に魔力が反応して魔法陣がこの森一帯に広がる。
「リバースザロストタイム!」
かなり難しい時空魔法を呪文を唱えて発動させる。
すると木々に再び木の葉が付き、萌える前の状態に戻った。
(後少し遅かったら危なかったかも、それでもやるんだけどね。)
この魔法はただ単に生物の時間を巻き戻す物で、死んだものは戻らない。
死んだものを戻す魔法もあるがその魔法を使うには媒体が必要だ。
それに死んだものを戻すにはその死体が綺麗な状態ですべて残っていなければいけない。
木もそれに当てはまるので死んだら治すことは不可能だった。
だが今回は間に合ったのでよかった。
(それでも森が焼かれていくのを見るのは嫌だな。)
「ありがとう。君たちは新しい勇者達だね。
本当に助かった。
宿を用意するから眠っていくといい。」
「お姉ちゃんが雨を降らせて火を消して、」
「この森を元に戻してくれたんだね!」
最初の方はエルフの女性が言って、あとの2つは獣人の少女たち、おそらく双子の子が言った。
「ありがとう。その言葉に甘えさせて貰うよ。」
そう言って勇者たちの方を見るが同意見らしい。
「明日の出発は送らせましょう。
みなさんまだ眠いでしょう?まだ時間はあります。休んでください。」
私はそう言って勇者たちを寝かせた。
私は鳥型の魔導具で王城に手紙を送ってから眠りについた。




