5-5 日本から再び異世界へ
勉強会が終わってからみずきちゃんに久しぶりに合気道の練習をしてもらったり、プールに遊びに行ったりして、夏休みは終わってしまった。
夏休みの間に1度だけみずきちゃんが風邪をひいてしまって看病したが、みずきちゃんが治って数日後に私も風邪をひいてしまい、みずきちゃんに看病してもらったのはまだ覚えている。
新学期になり、夏休みの宿題を提出する。
そしていつものように授業を受ける。
そんな代わり映えのしない穏やかな日々が1ヶ月経ち、お別れの日となってしまった。
「たまには電話してね。」
「メールでもいいから。」
授業最終日はお別れ会的なものになって、ジャンヌと一緒にその主役になっている。
そのお別れ会も、もうすぐ終わり。
最後になり、みずきちゃんが色紙と手紙を持って教卓にいた私の元に来てくれた。
「これ、各クラスのみんなで書いた色紙と私からの手紙。」
そう言って手紙を広げて読み始める。
「ティアちゃんへ、
まず最初に、今までありがとう。
はじめの頃はどういう人かわからなくて、戸惑っていたけど、話していくうちにどんな人なのかがわかってきて、いつも使っていたかしこまったような口調を直してくれたね。
私は、あなたとの思い出を、いちばんの宝物にして、これから生きていくよ。
ティアちゃんが、遠い国の、女王様になったら、電話をしてください。
その時は、私もスマホ越しだけど、祝うからね。
最後にこれだけ言わせてください。
これからも私は親友でいるから辛い時や苦しい時は頼ってね。
私はずっとティアちゃんの味方だよ。」
みずきちゃんは流れそうな涙を我慢しながらそう言ってくれた。
「うん!どこに行ってもずっと一緒だよ!」
そしてふたりで笑い合う。
帰る時間となり、みんなに見送られながら校門を出るためにそとにいく 。
「みずきちゃん、はいこれ。」
私はみずきちゃんに私の魔法で作った私首飾りになる紐のついた水晶を渡す。
そしてみずきちゃんの耳元で囁く。
「この水晶があれば、念じればその人形を通して私の見ているものが見えるから寂しくないよ。」
光魔法で作った水晶に感覚共有魔法を干渉魔法で付けて作ったものだ。
光魔法なので幽霊が近づきません。呪われません。
「ありがとう!大事にするね。」
「うん。異世界に戻ったら電話をするから、私から電話が来たらその水晶に向かって私のことを念じてみてね。
そしたらさっきも言ったけど私の見てるものと同じものが見えるから。
肌身離さず持っててね。
私もこの水晶でみずきちゃんの見てるものをたまに覗いてみるよ。」
「きゃープライベートがー。」
「あはは、私もそうだねー。」
そして見送られながら学校をあとにする。
「はあ、楽しかったな。」
歩いてすぐに2回路地を曲がって誰もいないような場所に行く。
「やーやーお別れは済んだかい?
ま、済んだからここにいるんだよね。じゃ行こうか。」
「うん。私の2つ目の故郷である異世界に戻ろう。」
急に出てきた神様と少し会話をして異世界に戻ると決意する。
そして私は日本から異世界に帰った。
「おお、帰ってきたか、ティア。」
「おかえりティア。」
両親が迎えてくれる。
「ただいま帰りました。あまたの地方をめぐり、女王になるための素質を磨いてきました。」
「そうかそうか、では女王になる即位式はいつにしようか、いや、こういうのは早いほうがいい。明日即位式にする。」
「今日は帰ってきたことを国民に知らせましょう。」
両親はそれぞれの仕事に移った。
私は久しぶりに戻ってきた部屋に、洋服などを詰めていく。
詰めている途中、サラがひとりでどこかに行ってしまったが久しぶりに帰って来たから行きたい場所があるのだろう。
私は国民に帰ってきことを伝えるために城下町に行く。
「あ、王女様!おかえりなさいませ。」
「王女様が帰ってきたぞー!」
「即位式は明日だとよー!」
「お祭りだお祭りだー!」
私が城下町を歩いて回ると、そこに住んでいる人や商人達が皆声をかけてくれて、騒ぎ始める。
一通り周り終えて、次に魔王の討伐をする時に通った街にいく。
エルフと獣人が住んでいた森に行くと、みんな私のことを知っているか、覚えていたみたいで、二種族は和解して交流が増えていた。
次に、ドワーフの街に行ってドワーフ王に軽く挨拶をする。
少しだけ街を回ってお酒を買ったが、特に飲む予定がないので気にしないことにする。
次にキサラギさんに久しぶりに挨拶をするために海の上を通ると、いつぞやのポセイドンが海上に現れた。
「あの時はすまなかった。
話がある。王の元へ来て欲しい。」
まあとりあえず言わてた通りにして、ポセイドンについて行くと前と何ら変わらないお城があり、そこで人魚姫とお話をする。
内容は、この前は襲ってしまったが、あれからキサラギさんが説得などをしたお陰で今では心を入れ替えて生きているらしい。
少しだけ話を聞いて納得したので別れを告げて今度こそキサラギさんの元へ行く。
元魔界に着き、キサラギさんがいるであろう大きなお城に行くと、その街は、日本建築で、コンクリートなどが使われた建物が揃っていた。
「あ、ティア!久しぶり!」
「久しぶりですキサラギさん。この建物はなんですか?不思議な形をしていますが。それにこの素材も見たことがありません。」
一様知らない素振りを見せる。
すると、キサラギさんが日本建築やコンクリについて話し始めて、一通り話終わった頃を境に、話を切り上げる。
「今の魔物の状況はどうなっているのですか?
ダンジョンができてしまったので、結界は貼りましたが、何があるかわかりません。」
一様聞きたかったことを聞いておく。
「魔物は今までとは特に変わりなく生息していて冒険者ギルドの仕事が変わらないくらいあるだけだよ。」
「そうですか、冒険者として食べている人には嬉しいでしょうから殲滅はしない方がいいのかもしれませんね。」
「ああ、そうだろうな。」
その後はほんの少しだけ話して、自国にもどった。
「ふあー疲れたー。」
部屋に入り、戻ってきていたサラを抱きながら、リラックスする。
少ししてすぐにメイドの人が来て、明日の即位式の時に着る服などを作るのでよばれてしまった。
その後もシャルティアは忙しく動き回って、みずきちゃんに電話をする時間がなかった。
だがみずきちゃんは水晶でこっそりその忙しさを見ていたのだった。




