第4話 校内探検
「何故俺なんだ?」
「それはな……青春しなさそうだからだ!!」(ビシィィ!)
そいつが、俺を指さして言い張った。
•••
「は?」
「どうせなら、青春しなさそうのな奴を入れた方が面白いだろ?」
「だからって……(「青春しなさそう」それは反論出来ないが…)
じゃあなんで宇佐美を誘ったんだよ?」
「何言ってんの?転校生は誘ってなんぼだろ!」
(…お前が何を言っているんだ)
「もっと部員が欲しいなぁ、青春しなさそうな奴…あ、例えばそこの眼鏡っ子とか!」
「はい?私ですか…?」
今度は黒髪おさげの眼鏡女子を指さしていた。
「ストーーーーーーーップ!!」
青春バカと一緒に居た女子が止めに入る。
「アンタさっきから失礼だから!」
と同時に学校のチャイムが鳴る。
今日は授業はやらず、このまま早帰りとなった。
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翌日。学校に着き、俺は早速決めたばかりの委員会の仕事をしていた。
昨日の杉森(眼鏡女子)は俺と同じ図書委員だったらしく、一緒に空き教室に残された本を図書室へと運んだ。
仕事を終え、教室に戻り一回目の授業が始まった。
一時間目が終わり、休み時間になると
昨日の青春バカが俺に声掛けてきた。
「春斗!校内探検しようぜ!」
(いきなり馴れ馴れしいな)
宇佐美と青春バカと一緒に居た女子も一緒だった。
仕方なく校内探検を引き受け、俺たちは校内を歩いていた。
すると、野外の渡り廊下に何人かの人影が見えた。
性格悪そうなチャラい不良が2人、それに怯えている金髪の男子が1人、不良に絡まれている女子が1人。
(あれ?あの女子は…どこかで見たことあるような?)
「へへへ譲ちゃんよォ髪下ろして眼鏡取れば可愛いじゃねーかよォ」
「や、やめろよ〜、嫌がってるだろ…っ」
「あぁァあん??」
「ひゃ〜!ごめんなひゃい!やめてくだひゃいい」
どうやら、女子は髪を下ろされ眼鏡も取られて絡まれているところを、その男子は助けようとしているようだが……
極度な怖がりかヘタレか?
すると、一緒にこの光景を見ていた青春バカが前へ出て
「弱いものいじめなんて青春じゃないな」
「何だーテメェ!」
「おっと、ちょっとタンマ!ただの暴力はやめろよ?拳の語り合いならいいが」
「なに言ってんだ?おらァ!」
不良が青春バカに殴りかかろうとしたとき、
「ちょっとアンタらいい加減にしなさいよ!」
やはりあの気の強い女子が止めに入った。
「なんだこの女?オイもう行こうぜ」
不良2人組は去っていった。
「ひゃ〜。け、怪我はない?」
「う、うん…」
あの不良に怯えきっていた金髪の男子は黒髪女子に駆け寄り、声を掛けていた。
黒髪女子は返事をしながらも髪を結き、眼鏡をかけた。
(ん?あの女子…杉森?)
不良に絡まれていた女子は、朝一緒に図書委員の仕事をしていたクラスメイトの杉森だった。
眼鏡取って髪下ろしただけであんなに違うんだな…。
「あ、あの。ありがとうございました」
「助けたお礼に、青春部入ってくれない?」
「ちょっとまたアンタは…!」
「そこの茶髪と転校生も入るから!」
(ちょ、俺はまだ入るって決めてな_____)
「……… わかりました」
…………いいのか………??
「そこの金髪も青春部部員決定だっ!!」
「ひゃい!??」
「よしじゃあ新たな仲間を加えて校内探検再開だ」
「なんかごめんね?ひなっちの為の校内探検なのにあんなとこ見せちゃって。まさか新学期早々あんな連中がいるなんて…」
「ううん、大丈夫。それよりあの子に怪我とかなくて良かった。……て、私の為の校内探検?」
「うん。実はねーあたし達は入学前に入試のとき一度この学校見学してたんだ。ひなっちは転校生だからまだこの学校に詳しくないでしょ?」
「そうだったんだ!ありがとう」
それから俺たちは休み時間の度に様々な教室を見て周った。
そして帰りの時間になり、俺は帰りたかったのだが_____




