第3話 部活
ぼーーー〜〜〜、、、
自己紹介が終わり、
俺は教室で席に座り、肘を付き、窓の海を眺めていた。
他のクラスメイトはガヤガヤしているが、
何だか…俺の周りだけは静寂しているみたいだ。
そんな時、一旦職員室に戻っていた担任の「氷雪こお」先生が、教室へと入ってきて…
「えー、皆さん静かに!入学初日じゃが…転校生が来おったわい」
このじいさんの第一声で、周りはまたガヤガヤし出した。
俺も、入学式が終わって自己紹介も終わった後にいきなり転校生?と驚いた。
「入ってきてよいぞー」
ガラッ
「よろしくお願いします!」
そうして入ってきたのが…長いツインテールが印象的な、青髪の女子だった。
似ている……さっき登校中に出会った、“あの人”に。
髪色と若干目つきは違うものの、俺は何故かその女子を見るなり、「似ている」と思ってしまった。
「宇佐美ひなです!」
肘を付くのを辞め、皆が拍手をしている中、一人呆然としていると
「えーでは、1番後ろの希島春斗くんの隣の席が空いておるから、その席に座りなさい」
(ん…?俺の隣の席?さっきまで誰か居たんだが…あのじいさん、もう忘れたのか?)
そのことについて指摘しようとしたが、
ガヤ…
うおー、超美少女じゃん!
やったー!女子だー
可愛いー〜!
よろしくね〜!
ガヤ…
とても言える雰囲気ではなかった。
そのまま「宇佐美ひな」は、俺の隣に腰掛けた。
「希島くん、よ、よろしくね」
「あ、ああ…」
係決めが終わり、やっと休憩時間になると
=3 ドタドタドタ… =3
俺の隣が、何人かの生徒によって囲まれた。
( •̀ㅁ•́;)「ねえねえ、珍しい髪色してるけど、もしかして外国から転校して来たの!?」
Σ(゜▽゜)「えー!外国人なの??すごーい!」
(*^。^*)「日本語も曖昧だったしねー!」
(・ิω・ิ)「L○NE交換してー」
(๑•̀ㅁ•́๑)✧「俺の部活入ってよ!」
転校生特有の、質問攻めにあっていた。
「そ、ん、な、ことよりー!
『青春部』に入らないか!?」
また一人、うるさいのが来た。
「ちょっとぉー、ほんとに作る気…!?
ごめんなさいね。こいつ、騒がしい奴で……」
今度は女子。すると、転校生は…
「青春部?」
なんと、いかにも怪しい変な名前の部活に興味を示していた。
教室に来る前、一通り廊下に貼られている部活の勧誘ポスターを見たが、そんな名前の部活はなかった。
「部活って何?」
「部活知らないの?部活ってねー」
女子が説明する。そして次に男子が、
「青春部は、“青春”する部活なんだ!」
そのまんまだ。
「やりたいことを何でもしていい。放課後に買い食いとか、夏休みに合宿して遊びまくったりとか、あとは学校の行事を本気で楽しむ!」
「あーあ、アンタの第一印象最悪ね。絶対変な人って思われたわよ〜」
「………面白そう……‼」
「へ?」
「私、ちょっと入りたいかも」
「本当か!?よっしゃ〜!実はもう部室は確保済みなのだ」
「げ!?まぢで?」
「もちろんみっきーも入るんだからな!」
「えー、あたしテニス部に入りたかったな〜」
「テニスは青春部でも出来る!大会には出られないが…」
「まぁ、ちょっとやってみたいってだけだったし、ひなっちが入るなら…」
おいおい、転校生、ほんとにこの変な部活に入るのか?
俺は絶対関わりたくないな……
「決定だ!そこの茶髪も決定だ!!」
「え?俺…!??」
(な、何故ーーーー………!??巻き込まれた……っ)




