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青春部。  作者: シャピア
3/6

第2話 転校生


「もう……なんでホウキのコントロールが効かないのよ?」


「急に環境が変わったからニャ」


「ま、何はともあれ 無事に人間界に来れたし、そのうち環境に馴染んでホウキも飛べるようになるニャ。シャナなら、すぐに出来るニャ」


「そうね」


「まずは…人間界の『学校』とやらを見てみたいわ。さっきの人間もいるかもしれないし」


「何にゃ?さっきの人間が気になるのかニャ」


「べ、別に? ほら、行くわよ」



シャナはホウキに(またが)


  フワッ


と飛んだ。


「よし、正常に動くわ」


一気に上昇し、その都度、シャナは辺りを見渡した。



「わ……綺麗………」



シャナが瞳を大きくし、見つめている方には


綺麗な青い海が広がっていた。


「あれは『海』ニャ。あ、その近くに学校もあるニャよ」


「行ってみましょう」


この世界は何だか……美しい。


“あっち”とは違って、空気が澄んでいて…


まだ慣れないけど、とても清々しい。


風が、気持ちいい。




_______________________






私達は、学校の周りをゆっくり飛び回り、様子を伺っていた。


「あ、


さっきの人間……」


「シャナ、この学校に入学してみるのはどうニャ?」


「え?」


「いつ大賢者様かその手下が追ってくるか分からないニャ。しばらく人間に紛れていた方がいいニャ」


「なるほど!」


「シャナ、この学校の制服は見たかニャ?」


「ええ、覚えたわ」



シャナ達は学校の“屋上”に降り立ち、呪文を唱える。


すると、シャナの身体が光に包まれ


たちまち、魔女服から制服に変わっていく。


空色のセーラー服だ。


「うーん、でもその髪色だと…」


「目立つかな?」


シャナは、もう一度呪文を唱える。


光に包み込まれ、 パッ と髪色が変わった。


「うーん、赤よりはマシかニャ」


「この髪色、気に入った!」


シャナは全身を見せるように、くるっと一回転してみせた。


「似合ってるニャよ」



あの海のような、綺麗な青髪だった。



______________________



「まずは、教室に侵入よ」


シャナ達は、学校の裏庭に周った。


その時、飼育小屋が目に止まった。


「わ、何この生物!?…でもよく見たら本で見たことあるわね。確か……『うさぎ』っていうのよ!」


「へぇ〜、じゃ、このうさぎと遊んでるから、シャナは“校長室”に行くのニャ」


「校長室?」


「校長室に行って手続きしてもらうのニャ」


「分かったわ。」




____________________






ザワザワ………



「えー、皆さん静かに!入学初日じゃが…転校生が来おったわい」


ガヤ…


うおお、誰?


男か?女か?


ガヤ…



「入って来てよいぞー」



  ガラッ



「よろしくお願いします!」



しーん、、、



「名前を言って下さい」



「え、あっ」


(名前…!?どうしよう…えっと…シャナ…じゃこの世界では変か)


(シャナ…シャナ…ひな…)


「ひ、ひなです!」


「名字は?」


(み、名字??)


シャナがどうしようか困っていると、教室の窓から


 ぴょんっ と飛び跳ねた“うさぎ”が見えた。


(あ、さっきのうさぎ!! シルクと遊んでいるのね)


思わず クスッ と笑ってしまったが、そのあとに


宇佐美(うさみ)ひなです!」



\/  パチパチパチパチパチパチパチパチ /\



なんとか言えた、と安堵して前を見たら


一人、見覚えのある人間がいた。



さっき出会った人間だった。







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