2の4
結果的にいうとだな、お父様はめちゃくちゃ金持ちでした。ただ、すごく忙しいみたいで、あまり家にいない。暇だから書斎にある本を片っ端から読んでたら、この世界での字の読み書きができるようになりました。いや、なんせ赤ちゃんの時はそれはもう素晴らしいぐらいに記憶力が良くてだな次々に色々と頭に入ってきて勉強が苦にならない。喋れるようになったら自分から教科書を買ってとお願いしたぐらいだ。前世では絶対にありえないことだよね、うん。そんなこんなで3歳にはもうこの世界の事はだいたいわかった。ただ、魔法に関して言えば専門の機関に行かないとダメみたいだから、それは我慢だな。ちなみにこの世界には魔法化学園、冒険者育成機関、騎士養成学校の3つの学園があって、それぞれ魔法特化、冒険訓練、武術特化で教えてくれるらしい。学園は15歳になったら入れて、3年間の学園生活を送る。18歳で成人だから、学園を出たら自立ができる仕組みになっているみたいだ。それからもう一つ。なんと、めでたく妹ができました。お父様が俺を引き取ったすぐあとに結婚して、お父様とお母様の子が俺より1歳年下のリナリー・マルクス。いやーほんとに癒される。可愛すぎるね、うん。いつも俺の後ろをちょこちょこついてくるが、ウザイなんてとんでもない。無邪気でほんとに可愛い。そんなこんなで結構幸せな人生を送ってた俺。そう、5歳になるまでは。いや、別に家族がみんな死ぬとかじゃないからね。ただ、幸せな生活が、ある人のおかげで、人生の転機?みたいになりました。