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「やあ、転生早々災難だったね。でもこれもまた運命なんだ。受け入れてくれ。」
「お前は神様か?俺また死んだのか?」
「いや、これは君の夢に僕が入ってきているだけだよ。」
「何だ。じゃあ俺は死んでないのか。うん?なら災難ってなんのことだ?」
「ああ。まだ記憶が曖昧なんだね。君は僕が与えた加護に凄い適合率を見せてね。普通では有り得ないほどの魔力を有したんだよ。でもまだ身体は赤子だからね。それを制御しきれなくなって、魔力が暴走したんだ。それを君の新しい母さんが自分の魔力を君の魔力と融合させて、君は九死に一生を得たんだよ。ただその代わりにお母さんは自分の魔力が尽きてお亡くなりになられた・・・。」
「そっか。母さんは俺のために・・・。不思議だな。今日生まれて来て数秒会っただけのはずなのにこのやるせない気持ちは何なんだろうな。」
「きっとそれが君を産んでくれた人への愛ってやつなんだろうね。」
「だな。それよかもう君って呼ぶのはやめてくれないか。俺は新しい名前をもらったんだから。」
「それもそうだね。リオル・マルクス君。なら一つリオル君にお願いがあるんだ。」
「リオルでいいよ。で、何だ?お願いって?」
「僕に名前を付けてくれないかい?僕はこの世の創造神でありながら、人に名前をもらった事がないんだよ。」
「そうゆうことなら喜んで。そうだな。リンク・マルクスでどうだ?」
「え?君と同じ苗字を貰っていいの?」
「何言ってんだよ。お前はこの世界で初めての友達。いや、兄弟だろうがよ。リンク」
「ふふ、そうだね僕の兄弟。」
「よし、名前も決まった所で少し質問いいか?」
「なんだい?僕の答えられる範囲ならいくらでも答えてあげるよ。」
「それじゃ、まずここはどんな世界なんだ?それと、俺は親無しで生きてられるのか?」
「そういえばまだ教えてなかったね。ここはガイスという世界。リオルが元いた世界でいうところの、剣と魔法のファンタジー世界だよ。」
「な、なんだと。そんな夢のような世界に・・・。」
「リオルならきっと喜んでくれると思ってたよ。そして二つ目の質問。今、病院がリオルのお母さんの身内に連絡をして、君を引き取りに来るようにお願いしているみたいだ。だから心配はいらないと思うよ。それにしても、『生きてられるのか?』なんてすごい質問だね。」
「ま、これは死んだ母さんのためだな。俺は母さんの分まで長生きする。最期に聞いた強く、そして優しく生きてくれって願いのためにな。」
「そっか。もうそろそろ君の夢が覚めそうだ。話し相手が欲しくなったら、またリオルの夢に出てくるようにするよ。」
「おう!何時でも待ってるぜリンク。またな!」