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目を覚ましたら知らない天井。
「おぎゃー、おぎゃー。」
おーい、誰か泣いてるぜ。て、これ俺か。そっか転生したんだった。てことはこの女性が新しい母さんか。よし喋ってみるか。
「あい、あい、だぶー。」
うわ、舌が上手く回らないな。これはどうにもなんねーか。
「あら、可愛いわね。そうだ名前。あなたの名前はリオル、リオル・マルクスよ。」
おー、俺はリオルって名前か。苗字はマルクスだな。
「患者様、この子の魔力量なのですが・・・」
なんだ?この医者は。魔力量?ここはどんな世界なんだ?
「既に王宮魔導師級の魔力量を越えていて、底が見えません。しかし赤子ですので上手く魔力を扱えておらず、魔力がダダ漏れの状態です。このままでは魔力の急低下により、植物状態になるのは明白かと。普通ならば魔力を抑え込む装置を使用するのですが・・・。」
「ごめんなさい。そんなお金が無いの。ここに入院するのですらやっとだったんだからね。それで他にこの子を助ける方法は無いの?」
「魔力を他者の魔力で抑え込むのみです。ただそうなると抑え込んだ方は間違えなく死に至ります。」
「それでも構わない。この子が助かるならば、何だって出来る。」
死?それって母さんが死ぬってことか?やめてくれよ縁起でもない。
「わかりました。では手術室にお運びします。」
「ごめんね、リオル。お父さんも、お母さんもいないけど、立派に生きるのよ。強く生きなさい。そして優しい子になりなさい。」
おいおい、冗談はやめてくれ。え?父さんはもう死んでるのか?俺はこれからどうやって生きてけばいいんだよ?
「あぎゃ!ぶー!!」
「リオル。お別れよ。お母さんは何時でも貴方を見守っているわ。」
う、眠気が。急に・・・。