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「全く、何度言ったら理解出来るのかね君は。学習能力が無いにも程があるというものだよ!大体ねぇ、君を面接で採用してやったのはこの私の口添えがあってこそなんだよ。そこの所を君は理解してるのかね。こんな簡単な仕事を何度も何度も失敗する程の知能しか持ち合わせていない奴だったなんてね!ガミガミガミガミ・・・。」
あーウゼー。その説教何回目だよ。てか別に仕事失敗してねぇーだろうがよ。その報告書のどこを見たら失敗に繋がるんだ。あ?むしろテメェのせいで無くしかけてた取り引き先を謝り通して何とかつなぎとめたのは俺だよ!感謝はされど説教される意味がわからん。誰の許可得て俺の事採用してくれてんだコンチクショー!!なんて言えたら楽だろうな。
「・・・ガミガミガミガミという訳でだな今日限りで君はクビだ。明日からこの会社には来なくていいからね。」
・・・は?
「は?」
ヤベ、心の声を反復しちまった。え、それよかクビってなに?
「「は?」とは何だね。これは決定事項だ。覆すことはできんよ。まあせいぜい新しい就職先が見つかる様に頑張るんだね。さあ、早くここから出ていきなさい。目障りだ。」
それはねぇーだろ。ふざけやがって。末代まで呪ってやる。
「今までお世話になりました。このクソ上司が!尻拭いしてくれる優秀な部下がいなくなってテメェもクビになりあがれ!!」
「き、君なんてことを。絶対に許さんからな!末代まで呪ってやるわ!」
あースッキリした。これで心置きなくこのブラック企業から抜けられるぜ。て、お互いに呪い合うわけ。呪い同士相殺されねぇかな。取り敢えずとっとと出ていくか。これ以上いるとぶん殴りそう。流石に暴力はダメだよね。また就活やり直しか。めんどくせーな。