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ー3日後ー
「さて、どれくらい魔法のON/OFFが切り替えられるようになったか見せてもらおうかしらね。」
「あ、あのー。ON/OFFの切り替えはまだ出来てないんですけど。」
「へー。3日もあったのになにしてたの?」
「で、でも魔力を安定して出せるようになったんですよ!」
「ふーん。じゃあやってみなさいよ。」
「え、今やってるんですけど。ほら、俺の体にオーラみたいなのが出てるし。」
「何言ってるの?そんなの見えないわよ?あ、あなたまさか。」
どうしたんだ?先生には見えてないのかな?
「嘘、ありえない。まさかこんな短期間で。いや、もう驚かないわ。」
「先生、ひとりで納得してないで、僕に教えてください。」
「あのね、あなたは既に次の段階まで進んでいるのよ。」
「えっと、それはどうゆう」
「だから、私が教えるべきことを、あなたが勝手にやってしまったってことよ。」
「それなら先生の仕事が減るからいいんじゃ。」
「ええ、そうよ。そうゆうことよ!」
この先生なんで怒ってんだ?
「兎に角、あなたが異常だってことがよーく理解出来たわ。明日からはもう加減なんてしないからね。」
「先生がなんで怒ってんるのか知りませんけど、僕がなにかしてしまったことは理解できました。だから何をしたのか教えてください。」
「めんどくさいわね。説明しなくても分かりなさいよ。」
言ってることが無茶苦茶だよこの人。
「説明したらいいんでしょ。その前に確認。あなた今、意識しなくてもそのオーラを常に出せるようになってるのよね。」
「ええ、3日間出し続けてたら自然に。」
「そんなことだと思ったわ。いい、私がON/OFFの切り替えはを指定したのは、安定して魔力を制御できるようにならないと、オーラを出した時に魔力がどんどん外に出ていくからなの。だから少しずつなれていかせようとしてたのよ。なのにあなたはその過程を省いて常にオーラを出し続けてたの。普通そんなことしたら、2時間もかからずに魔力が底をついて死ぬのよ。でもあなたの魔力が馬鹿みたいに多いからそれでなんとかなったんでしょうね。力技にも程があるわ。」
うわ、俺死ななくてよかったー
「それは分かりました。勝手なことしてすみません。でも先生、前は俺のオーラを先生も目視できてたのに、さっきは見えてなかったようですが。これもなにか関係あるんですか?」
「さっき言った通り、安定して魔力制御ができなかったら、魔力がどんどん外に出ていく。逆に言うと、制御できるようになれば、魔力漏れは起こらないのよ。そして完全に自分の魔力を制御できたってことは、その魔力が体に適合したってことなの。適合した魔力は他人には目視不可能よ。」
「つまり、僕の魔力が完全に俺のになって、俺にしかオーラが見えなくなったってことですか?」
「そうゆうことよ。そして、その段階に達したら、魔法の暴発以外には、何があっても魔力の暴走は起こらないわ。」
「てことは、僕は魔力の暴走による死は免れたって事なんですね?」
「そうよ。ここで、リオルに選択肢を与える。これからこの魔力操作を応用していくか、魔法の授業に入るか。どっちか選びなさい。」
なやむ。正直魔法が使えるようになるなら、使ってみたい。でも魔力操作の応用は先生と、あと1人しか知らない技法。なら、
「魔力操作の応用を教えて下さい。」
「その心は?」
「魔法は魔法化学校に行ってからでも習えます。でもこれは、今、先生に教えて貰っていた方が絶対に得ですから。」
「そうなるわよね。・・・。正直教えたくないのよね。」
「え?それはこの技術が貴重だからですか?あ、それとも僕が原因?」
「ええ、それもあるけど。いや、それがかなりの割合を占めているのだけど。」
かなりの割合ってなんだよ。地味にショックだったぞ。
「じゃあなんでですか?」
「ん?命の危険があるから。下手したら死ぬわね。一応あなたを預かっている身としては、あまりそうゆうことをお勧めできないのよ。」
「命の危険!?どんな訓練、いや修行をするつもりなんですか!」
「修行なんて大袈裟よ。ちょっと魔法を沢山撃ち込むだけよ。」
「え?それはどこに?」
「決まってるじゃない。リオル、あなたによ。」
なに言ってんだこの人!宮廷魔導師レベルの魔法を人に撃ち込むなんて、非道すぎるだろ。間違ってもウィンクしながら言うことじゃねー。
「あの、もう一度かんが「でもあなたが決意したならしょうがないわね。」」
言葉を被された。せっかく命拾いしたのに、また死の危険なんてなんの冗談だよ!でもこの技術を教えてもらえるチャンスなんて絶対もうないよな。
「わ、分かりました。もうこうなったらやってやりますよ!」
「いい心意気ね。頑張ってね。」
だからウィンクはやめろ!