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プロローグ
「はぁー・・・。」
今日で何度目とも知れない溜息を吐き出した俺は憂鬱な気分で家への帰路につくのだった。もっとも家といっても低家賃のアパートなのだがそこは気にしたら負けだ。小さい頃は夢のマイホーム等と考えていた時期もあった。ただ、現実はそう甘くないのだ。大学で就活をしてやっと見つけた就職先は社内カーストの激しいブラック企業。上司はウザイし、カワイイ子はいないし。だから俺は今、世の中の子供たちに叫びたい!
「現実見やがれクソガキどもー!!」
あ、ホントに叫んじゃった。ま、誰も見てないしいいか。
「お母さん、あの人急に大きな声だしたよ。」
「目に毒よ。見たらいけません!」
見られてたぁー。ヤベー恥ずかしすぎる。てか目に毒って酷くない!?まあ悪いのは俺なんだけどね。
「はぁー・・・。」
今日で何度目とも知れない溜息を吐き出した俺は憂鬱な気分で・・・・・・。うん、これ無限ループ確定コースだな。いや、さすがに何度も叫ばないけどね。






