閑話 ボブとキャサリンはルークを探して下へ下へと進んでいく。
ルークが木に興奮している頃、キャサリンとボブは迷宮の中を進んでいた。
ルークを最後に見た受付をしていたの兵士の話によれば、ルークは1週間分ほどの荷物量だったそうだので、1週間以上も帰ってきてないとなると生きている可能性は低いと言うことだった。
「たとえ可能性が低くとも私は生きてるって信じてる。」
「あぁそうだな、できるだけモンスターとの戦闘は避けて走って先に進もう。」
1階層は駆け抜け。
2階層も駆け抜け
3、4階層は必要な所だけモンスターを倒し。
5階層で一旦休憩を挟み
6階層では逃げ切れないモンスターが多く出てきてペースは落ちた。それでも挫けずに7、8、9階層と攻略しついに10階層まで、たどり着いた。
途中、大きな穴を見つけたが深すぎて奥が見えなかったのでスルーした。
10階層にはボスがいる。
倒すと扉が開き次の階層へ向かえる。
「ボス部屋だ。俺はソロで19階層までならいける。」
「私はも19階層もだわ。」
「なら2人なら29階層まではいけそうだな。持ってきた物資的にもそこが限界だろう。」
「わかった。」
「じゃあ、入るぞ。」
ボブは、扉を開け中へと入り込んだ。
中にはゴブリンがいた。
ただのゴブリンではないと見て分かる。
通常のゴブリンとは異っているのはまず体格だ、通常の2倍程はある。
次に装備、ボロボロの剣などではなくしっかりと整備されている。
そしてこちらの姿を見た瞬間襲って来ないところに知性を感じられる。
「ここのボスは知ってると思うけどハイゴブリンナイトだ。」
「言われなくとも知っているわ。」
「だよな。」
そういうとお互いなんの打ち合わせもなく左右に分かれハイゴブリンナイトに襲いかかった。
ゴブナイトは、キャサリンのことはスルーし右から来たホブのほうへと突っ込んできた。
「いらっしゃい!」
そういうとボブは力任せに持っていた剣をゴブナイトへと叩きつけた。
コブナイトは、盾で防いだが力負けして体勢を崩した。
すかさず後からキャサリンに足の腱を切られ崩れ落ち膝立ちになったところ、ボブに脳天を叩き割られた。
鮮やかな連携であり、ゴブナイト程度なら1人でも軽くあしらえる実力を持っていることがわかる。
「やるじゃない。」
「キャサリンこそ。」
「さ、先へ進もう。」
お互いを褒めあいなんだか恥ずかしくなり、道のりを急いだ。
「ルークは一体どこまで進んで行ったんだろう。」
「わからん。」
2人の強さはランク的に言えばルークと同じだが、お使いクエストばかりこなしてきたルークと討伐系クエストばかりこなしてきた2人では戦闘経験の差が大きい。
討伐系クエストでランクCにルークがなれていたならきっと、下層であっても苦戦などしなかっただろう。
閑話はこんなことがあるんだなーくらいの心意気で。